再仕込み醤油ってご存知ですか?ヤマロク醤油の鶴醤

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再仕込み醤油

濃口や薄口醤油などの一般的な醤油は、大豆と小麦に麹菌を加えてできた麹を食塩水で仕込むが、「再仕込み醤油」は、食塩水の代わりに生しょうゆ(火入れをしていないしぼりたての醤油)で仕込むので、「再仕込み醤油」と呼ばれているそうだ。

山口県の柳井地方が発祥らしく、山陰から九州地方でつくられていたのが、今では、ほぼ、全国に拡がっているそうだが、生産量は醤油全体の1%しかない。

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ヤマロク醤油の「鶴醤」

筆者が初めて出会った「再仕込み醤油」が、小豆島のヤマロク醤油の「鶴醤」だった。ヤマロク醤油では、木桶仕込みで約2年掛けて熟成した生しょうゆに新たな麹を仕込み、さらに2年間熟成するので、都合4〜5年の歳月がかかるそうだ。実に、熟成期間も塩以外の原材料も2倍必要だという何とも贅沢な逸品なのである。

山本 康夫(やまもと やすお)さん
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生しょうゆは火入れをしていないので、微生物はまだ生きていて、新たに仕込まれた麹の微生物との相乗作用で、芳醇なコクと風味が生み出されるのだろう。旨味たっぷりの濃厚な醤油で、その手間ヒマのかかった贅沢な風味にすっかり魅了されてしまった。

ヤマロク醤油のWebサイトより

口の中でぱっと広がる芳醇な味と香り。
「鶴醤」は「深いコクとまろやかさ」を極限まで追求したヤマロク醤油の自信作。
「再仕込み製法」を用いて造るこの醤油は約2年の熟成期間を経て完成した生醤油を、商品にすることなくもう一度樽に戻し、再び原料(塩以外)を加えて、もう2年ほど仕込む二度仕込み。
倍の原料と歳月を加え自然の力でゆっくり育てること。塩の代わりに、かどのとれた生醤油の塩分を利用することで、これまでにない深いコクと香り、まろやかを引き出しました。

一般的に醤油の「旨み」は窒素(N)の数値で表わされます。ちっ素とは主に大豆に含まれている成分で、この値が高いほど「旨み」が高い醤油ということになります。この旨み成分は大豆の熟成途中に、じわ~っと出てくるのですが、普通の濃口醤油で「1.5」、薄口だと「1.2」、これが「鶴醤」だと平均「2.3」となり、数値の上でも「旨み」が高いことがわかります。また、塩分濃度においては、普通の濃口醤油が「16~17%」、薄口醤油が「17~18%」のところ、再仕込醤油の鶴醤は「15.5~16.5%」。つまり味が濃厚な割に塩分は低く、醤油のもつ「旨み」がもっとも生かされた醤油ということができます。

しかしながら、旨み成分の数値を高めることは技術的に難しいことではありません。原料や製法の善し悪しに関わらず、調味料を使ったり、細かく砕いた大豆を使えば、熟成期間を短縮しても数値を高めることができます。ところが人間は、「コク」や「まろやかさ」といった数値化できない微妙な味を感じます。
「味」とは、旨み、辛み、苦み、甘み、香りが、複雑に絡み合った総合技であり数値だけで計れるものではありません。また、ヤマロクの醤油は、一般に流通している醤油に比べると、数値上のバラつきは多いです。でも「味」のバラつきは少ないと思います。それは、数値以上に人間の「感覚」を大切にしているからです。ヤマロク醤油は目に見えない数値、「おいしさと笑顔」を品質基準にしています。

山本康夫社長の心意気

原料の価格が上がっても、ヤマロク醤油は商品の価格を上げません。なぜなら醤油は毎日使う「日用品」だからです。価格を上げることは簡単ですが、高くすることで「嗜好品」になってしまうことは絶対にさけたいのです。

ただのラクトアイスが濃厚なキャラメル風味に

ただのラクトアイスに少量「鶴醤」をかけるだけで、濃厚なキャラメル風味のアイスクリームに変身させてしまう。

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たまり醤油との違い

どちらも、かけ、つけ用に好んで使われる濃厚な醤油であるが、たまり醤油は、小麦を使わず、全量大豆を味噌玉(麹)にして仕込むので、豆味噌の風味も漂い、再仕込醤油とは違った味わいがあるので、そんな醤油の味比べも楽しいし、新たな出会いが食文化を育むのだと思う。

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鶴醤のネット通販

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.05.04.

編集更新;2015.05.04.

文責;平野龍平

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