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小豆島、ヤマロク醤油、山本 康夫(やまもと やすお)さん
伝統的な製法でつくられる昔ながらの醤油
伝統的な製法でつくられる昔ながらの醤油は、醤油蔵に設置された大きな杉の仕込み桶で仕込まれ、2年以上の年月をかけて醸される。
ウチの蔵には百数十種類程の菌が棲んでいます。日の当たり具合や、色々な条件で、蔵の場所、桶によっても住んでいる菌の種類も数も違います。数百年かけてこの蔵と一緒に育んできたもので、ウチにしかないものです。醤油をつくるのは私たちではなく菌たちなのです。この桶と蔵と菌で発酵した醤油づくりは代々受け継いで来たもので、今でも醤油をつくることができるのは、ご先祖さまがいい桶を造って、この製法を頑なに守ってきてくれたからなので、次の世代に引き継ぐことが私の仕事です。
https://corezoprize.com/yasuo-yamamoto
世界で1社しか残っていない製桶メーカー
その仕込み桶をつくったり修理したりできる専業の製桶メーカーは、日本で、いや、世界で1社のみになってしまった。
https://corezoprize.com/takeshi-ueshiba
2013年、山本さんは、その製桶メーカーで仲間の大工さんたちと修行をして、自分たちの手で新桶をつくられた。
展示用としてイタリアへ旅立つ新桶
2015年1月に製作された「新桶」の1本は、醤油メーカーに納品され、1本は、ミラノに旅立ち、イタリアに常駐して、さまざまなイベントに展示され、和食のPRや木桶による発酵文化の情報発信という大きな役目を担う予定だそうだ。
初めて桶を製作された時の山本さんの言葉を思い出す。
桶づくりをするのにファンドや寄付金は募りませんし、何かの補助金も助成金も要らんのです。そういうのを貰うとアテにするでしょ?桶づくりが商売として成り立たないと続かないし、ウチの醤油のように木桶でつくる食づくりも続かなくなるのです。
ウチは木桶でしか醤油をつくりません。そういう覚悟と意地もあって、桶づくりを始めましたが、ウチの蔵で使う桶だけをつくっていたのでは、私か私の次の代ぐらいはなんとかなっても、先細りするのは見えています。買ってもらえるところがあって、商売として成り立てば、他にも桶づくりをする人が出てくるでしょう。そういう人たちが増えれば、もっともっと先の世代に木桶でつくる発酵文化を引き継いでいけるのです。
ヤマロク醤油のファンが増えれば、木桶の文化も残せます
http://store.shopping.yahoo.co.jp/corezonet/002ymrktr500kk500.html
COREZO(コレゾ)賞 事務局
2015.04.29.初稿
2015.04.29.最終更新
文責 平野龍平
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