砂糖は和食の基礎調味料なのだろうか?転化糖や異性化糖ってご存知?

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そもそも、砂糖は和食の調味料なのか?

筆者は、実家が食べもの商売をしていた関係で、食事時には両親が忙しく、子供の頃から自炊をしていたが、砂糖やうまみ調味料の類が無くても調理に困ったことはない。今でも、どちらも自分の家には置いていない。

砂糖が無くて困るのは、もう何年もつくっていないが、ザラメを香ばしく焦がして肉を焼く関西風のすき焼き(明治以降の食文化)ぐらいだ。

そんなこともあり、下記の記事を書いていて、砂糖は、昔から和食の基本調味料だったのか?という疑問を持った。

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日本における砂糖の歴史

日本で砂糖がいつから料理に使われるようになったのか調べてみた。

飛鳥時代〜平安時代

砂糖は、中国から遣唐使によって伝えられたと考えられていて、当時は大変な貴重品であり、ごく一部の上流階級が薬用として用いていたようだ。

鎌倉時代末頃〜室町時代

大陸貿易が盛んになり、砂糖の輸入も増加し、食品として扱われるようになった。

戦国時代

1543年にポルトガル人が種子島に上陸し、カステラ、コンペイトウなどの南蛮菓子と共に伝えられた砂糖は、茶道の茶菓の原料として珍重された。当時の大陸貿易の品目の中では、生糸、絹織物、綿織物に次ぐ重要輸入品が砂糖だった。

江戸時代

江戸時代の初期、中国で学んだ製糖が当時の琉球(沖縄県)で始まり、管轄していた薩摩藩に莫大な収益をもたらした。

その一方で、当時、鎖国令により海外との貿易は長崎の出島に限られていたにもかかわらず、相当量の砂糖が輸入されていて、その代価として多量の金銀銅が日本から海外へ流出していた。8代将軍吉宗の時、それを防ぐため、琉球(沖縄)からサトウキビを取り寄せ、江戸城内で実験的に栽培を始めた。

その後、サトウキビ栽培が奨励されて全国に広まり、特に四国地方ではその温暖な気候を利用してサトウキビ栽培が盛んに行われ、特産品の和三盆が生産されるようになった。

明治〜昭和初期

それでも、砂糖が一般に広く行き渡るようになるのは明治時代(1868〜1912)に入ってからで、不平等条約の下で価格の安い海外の砂糖が流入して、沖縄・奄美を除き、零細な和糖業は壊滅に近いダメージを受けた。

1894年、日清戦争後、日本の統治下に置かれた台湾で機械化された大工場による近代製糖業が確立し、国内にも精製糖の近代工場が建設された。

1920年代になるとてん菜をつかった製糖業も盛んになり、我が国の砂糖の生産体制が整備された。

戦中〜戦後

太平洋戦争が始まると、台湾で生産された粗糖を国内へ輸送するのが困難になって、国内の砂糖不足は深刻なものとなった。終戦後は、砂糖の流通量が僅かしかなく、1952年(昭和27年)まで配給制が敷かれ、一時期、砂糖の代用品としてズルチンやチクロなどの人工甘味料が使われたが、安全性の面から使用禁止となった。

1963年には粗糖輸入が自由化され、粗糖(黒砂糖の糖蜜分を除いたもの)を輸入して日本国内で精製するという方法が一般的になっている。

参考

明治以前の甘味調味料

砂糖が一般家庭で使われるようになったのは明治時代の後半からだと考えられ、それまでは何を甘味調味料として使っていたのか?という疑問が湧く。

みりん

「みりん(味醂)」が日本に誕生したのは戦国時代で、江戸時代になると、女性でも楽しんで飲むことのできる甘口の高級なお酒として人々に受け入れられました。 お酒として庶民に浸透していったみりんは、やがて料理のコクやうま味を引き出す調味料として使われるようになります。しかし、当時のみりんは、麹を作る技術が発達していなかったため、甘みが薄かったようだが、当時は砂糖よりも入手しやすい甘味料として用いられました。

角谷 利夫 (すみや としお)さん
COREZO(コレゾ)「他で置き換えることはできない、お米本来の自然の甘さとおいしさを頑に醸造という伝承の技で引き出す、ホンモノのみりんづく...

みりんは、江戸時代後期から鰻のたれやそばつゆに調味料として使われるようになり、明治から戦前にかけて、一部、一般家庭での使用も始まるが、まだまだ贅沢品であり、日本料理店で使われるのが主だったそうだ。

庶民の甘味、甘味調味料

それでは、庶民が砂糖を自由に使えるようになるまで、何を甘味調味料として使っていたのか?

さらに調べると、

水あめ

日本では、水あめは、日本書紀に記述があるぐらい歴史が古く、酒づくりのためにデンプンを糖化したものをそれより以前から製造していたらしい。最初は、玄米を発芽させ、玄米中の糖化酵素を利用して製造されていたが、やがて、発芽玄米より効率の良い麦芽(大麦麦芽には多くのアミラーゼが含まれるらしい)が糖化酵素の供給源として利用されるようになって麦芽水飴がつくられるようになったそうである。

麦芽を使ったことから、水あめの主成分は、麦芽糖(マルトース)と呼ばれ、ブドウ糖が2つ結合したもので、二糖類に分類され、甘味度はショ糖(砂糖の主成分)の35%位で甘味は薄いが上品な甘さと云われている。

子供の頃、紙芝居を見るのに買って、白くなるまで練って食べていた水あめは、砂糖を水に溶かして煮詰めたものだとばかり思っていた。

蜂蜜・干し柿

その他に、蜂蜜やお菓子に「果」が使われているように、身近な干し柿などの干した果物が甘味として使われていたようである。干し柿は、「膾(なます)」など料理の甘味として今でも使われている。

甘酒

また、甘酒は、日本書紀に出てくる「天甜酒 (あまのたむざけ)」というお酒が起源と云われ、平安時代には、甘酒は貴族の飲み物として浸透し、室町時代になると、一般にも甘酒を含むお酒が売られるようになり、庶民の間でもお酒が飲まれるようになったそうだ。

甘酒は、庶民の甘みとして飲まれたという情報はたくさんあるが、実際に甘味調味料(今の世の中では、マクロビオテックの料理で使われるらしい)として使われていたのかは不明だ。甘酒をつくるのには麹か酒粕が必要なので、米と大麦麦芽からつくる水あめなら原料のある農家でつくれただろうし、庶民でも手に入れ易かったのではないかと推察する。

水あめと糖分についての補足

水あめは、現在では、デンプンにシュウ酸を加えて加水分解し、シュウ酸は有毒な上に酸味があるので炭酸カルシウムを加え、水に不溶なシュウ酸カルシウムとしたのち、濾過して取り除いて作られているそうだ(酸糖化法)。水あめを加工した糖アルコールを主成分とする甘味料である還元水飴というものもあるが、これは、水あめではないとのこと。

シュウ酸

体内で血液中のカルシウムイオンと強く結合するため毒性があり、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。ホウレンソウなどの植物には水溶性シュウ酸塩(シュウ酸水素ナトリウムなど)が含まれ、アクやエグ味の原因となっている。

糖アルコール

糖質に水素を添加して還元(酸化の反対)し、化学的に安定させたもの。

ブドウ糖(グルコース)

それ以上加水分解されない単糖 甘さは砂糖の0.65~0.8倍。

デンプン

ブドウ糖(グルコース)が多数結合した物質。単糖分子が多数重合した物質の多糖類と呼び、デンプンなどのように構成単位となる単糖とは異なる性質を示すようになる。

麦芽糖(マルトース)

二糖類、ブドウ糖+ブドウ糖、スクロース(蔗糖)の約1/3程度の甘味。

砂糖(ショ糖・スクロース)

二糖類、ブドウ糖+果糖。

果糖(フルクトース)

その名の通り、木に成る果実、ベリー類、メロン、ニンジンなどの根菜、ハチミツなどに多く含まれ、ブドウ糖(グルコース)とは分子式は同じなのに構造が違うので異性体と呼ばれる。甘さは、砂糖の1.2~1.7倍。

転化糖

砂糖を酸や酵素で分解して、ブドウ糖と果糖、半々の割合にした糖製品のことで、砂糖より甘い。

異性化糖

デンプンを糖化してブドウ糖にし、さらに、酵素によって、ブドウ糖の一部を果糖に変化させた糖。これを異性化と呼び、異性化させた割合が高いほど、甘くなるので、用途によってその割合が異なる。ブドウ糖が多い糖液をブドウ糖果糖液糖、果糖が多い液糖を果糖ブドウ糖液糖という。

HFCS(high-fructose corn syrup)

アメリカでは、デンプンは主にトウモロコシから作るコーンスターチを使うので、HFCS(high-fructose corn syrup)とも呼ばれる。

アメリカでは国を挙げてトウモロコシ(遺伝子組み換え種)の生産量を増加させたために、大量のコーンスターチが市場にダブつくようになり、そのコーンスターチを利用して、大量の異性化糖が安価に作られ、砂糖よりも非常に安くなったために世界中に広まった。特に日本では、原材料をそのままで輸入するのではなく、加工された状態(コーンスターチやシロップ)で輸入すれば、遺伝子組み換えの表示をしなくても良いので、大量に輸入されるようになった。

コーンスターチやシロップからはアルコールがつくられていて、第3のビールなどにも使われているらしい。

まとめ

今では、西洋から持ち込まれた精製した砂糖は、調味料として当たり前に使われているが、一般家庭で使われるようになって100年ほどの歴史しかないのに、あの「和食;日本人の伝統的な食文化」の基本調味料と云えるのだろうか?

醤油や味噌他の酒、みりんを加えた伝統的な調味料と比較して歴史が浅く、その背景も異なっており、「自然の尊重」という日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣習」から生まれた調味料ではないことは確かだろう。

さしすせその「さ」は砂糖ではなく、酒だという説もある。

戦中、戦後の時期に砂糖が手に入り難かった時代があった反動なのか、甘い=贅沢=おいしいと、砂糖をたっぷり使って料理を甘く味付けする地域も多い。料理の味付けに砂糖を多く使う地方では、糖尿病での死亡率(都道府県別)も高い傾向にあるようだ。

今や、昔からある砂糖や麦芽糖以外の甘味料が世の中に溢れているのである。

人工甘味料のチクロは、発ガン性が疑われて米国で禁止されたのを受けて日本でも使用禁止となったが、中国、カナダ、EU圏など約55ヶ国では現在でも使用されているそうだ。中国からも多くの食材が輸入されているのに、食の安全性に関して、国によって基準が違うのは困りものである。

それにしても、使用許可をしておいて発ガン性が疑われると禁止するって、新しくつくられた合成添加物は長期に渡る安全性が確認されているとは云えず、人体実験をされているようなものなのだ。

筆者は、今回初めて知ったのだが、多分、気づかないうちに摂取していると思われる転化糖や異性化糖のことをご存知の方はどれほどおられるのだろう?

その他にも、現在、認可されているキシリトールなどの糖アルコールやアスパルテーム、サッカリン、パラチノース、ステビアなどの人工甘味料も山ほどあり、ダイエット◯◯は健康に良い?とか思い込んで、何が入っているのか、その正体も知らないまま、せっせと摂取し続けているのではないだろうか?

真面目に真っ当につくられ続けてきた日本の伝統食は、すでに長い年月をかけて壮大な人体実験をしてきた結果が出ているからこそ、安心できると云えるのである。

砂糖の危険性を指摘する医師もおられる

関心のある方はお読みになってご自身でお考えいただきたい。文系の頭にはハードルが高そうだが、非常に論理的で、理解し易い内容だと思う。

COREZO(コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.04.13.

最終更新;2015.04.13.

文責;平野 龍平

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