意外に知らない塩のことその6、塩の種類、きれいなピンク色の岩塩の正体とは?

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日本で流通している食用塩の種類

結晶の大きさや乾燥の具合による分類もあるようだが、ここでは原料、製法別に分類する。

海塩

さいかんは、濃い食塩水(かん水)をつくる工程、せんごうは、煮詰める工程。

用語の説明はこちら

意外に知らない塩のことその1、食用塩と製塩用語の基礎知識
食用塩の定義と製塩用語の基礎知識 なんと、人間は、塩を摂取しないと生きていけないのに、国が定める食塩に関する法律や規定、基準はなく、い...

イオン交換膜さいかん+立釜せんごう塩

日本の海水が原料、(国産)塩事業センターの食塩(旧専売公社時代からの商品名)、並塩、白塩、瀬戸のほんじお等、サラサラで使いやすい。

輸入天日塩溶解+立釜せんごう塩

メキシコやオーストラリア産の天日塩が原料、(国産)塩事業センターの食卓塩、クッキングソルト、精製塩(これらも旧専売公社時代からの商品名)、伯方の塩、赤穂の天塩、等、サラサラで使いやすい。

輸入天日塩溶解+平釜せんごう塩

メキシコやオーストラリア産の天日塩が原料、(国産)伯方の塩、シママース、あらじお等、溶け易い、柔らかい、くっつきやすい

天日さいかん+平釜せんごう塩

日本の海水が原料、(国産)能登の浜塩、小笠原の塩、備讃の塩、海の精等、溶け易い、柔らかい、くっつきやすい

天日さいかん+天日せんごう塩

日本の海水が原料、(国産)海の晶、土佐の山塩小僧等、(輸入)原塩、粉砕塩、ゲランドの塩等、やや溶けにくい、硬い、泥、細菌が入りやすい。

イオン透過膜+スプレー乾燥塩

日本の海水が原料、(国産)雪塩、ぬちマース等、パウダー状、ミネラル分が多い。

藻塩

伊都の塩等、海藻を浸漬させた塩、海藻のうまみ成分が含まれる。

海水の中に海藻を浸漬して製塩したもの又は 海藻抽出物、海藻灰抽出物もしくは海藻浸漬にがりを 添加した場合に表示できる。

あらじお

特に加工をしてない塩という意味だけで、特別な塩を意味するものではない。

フレークタイプ

結晶がフレーク状で溶けやすくかさばった塩。平釜で製造される。にがり量は多いものも少ないものもある。

粗塩タイプ

にがりが多いことを特徴とするもので、粉砕天日塩ににがり添加したもの、平釜塩でにがりを多く残したものなどがある。

粗粒タイプ

粒が比較的大きいことを特徴とする塩、天日塩などの粉砕塩等に使う。

水分の多い塩

乾燥塩に対比して使っている例がある。

焼塩

一般的に「にがり」を含む塩を焼成(高温で焼く)したもの。固まりにくく、味に丸みがでる。乾燥を目的とする高温処理は焼き塩とはいわず、温度380℃以上では高温焼塩、380℃未満では低温焼塩という。

塩化ナトリウムの結晶表面だけに存在するにがり成分の塩化マグネシウムは、加熱により不溶性の塩基性塩化マグネシウムの粒子となり、不溶性微粒が結晶表面を覆うことで可溶性の塩化ナトリウム結晶の空気との接触面積が小さくなることで、結晶表面の吸湿放湿の繰り返しによる固結が起こり難くなると考えられていて、この現象は400℃以上くらいで顕著になるそうだ。

岩塩

世界の塩の約1/4の原料が海水で、あとはこの岩塩と湖塩。

採掘(乾式採鉱)

(輸入)サーディロッチャ、アンデスの塩等、非常に溶けにくい、硬い、鉱物が混ざることがある。先進国では、食用として用いられるのは稀。

岩塩が生成される数億年の間に温度や圧力が加わり、海水の成分は分離されて各塩類毎に精製されて積み重なった形で地下にあるため、食用にされる岩塩にもにがり成分であるマグネシウムの他、ミネラルはほとんど含まれないといってよいとのこと。

色の付いた岩塩は、この乾式採鉱の岩塩で、色は、赤が最も多く、次に黒、白、透明、となり、青、緑、黄は少ない。一般的に赤系は酸化鉄、黒は粘土や黒砂、白は石灰石、石こう、気泡など含んでいる場合が多く、多量の鉱物や不純物を含む岩塩は、食用にはされない。

ボリビアやパキスタンのピンクの塩は鉄分が多いとされるが、その鉄分は赤鉄鉱の赤色で赤粘土と同じような成分なので、体内で溶けてミネラルとして吸収することはできない。

溶解(溶解採鉱)+立釜せんごう

(輸入)モートンソルト、アルペンザルツ等、サラサラで使いやすい。

岩塩層に水を注入して抽出した濃い塩水の不純物を取り除き、釜で炊いた塩。元々の原料は岩塩だが、岩塩としての特徴はなくなっていて、見かけも成分も精製塩に近く、欧米では、調理用の食用塩として、溶解採鉱の塩が一般に広く使われている。

参考、食用塩公正取引協議会会員登録商品一覧

製造方法(原材料、工程)表示

味の特徴

にがり分が多い塩

にがり分の多い塩は舐めたときに、旨味、丸み、を感じると同時に、ややクセのある味になる。にがりは製塩のときに残る塩化ナトリウム以外の塩化マグネシウム等の成分が溶けた溶液で、強い苦味がある。にがり分は塩の結晶には入らず、結晶の外側に液膜状になって付着しているので、にがり分の多い塩を舐めると、塩からさより先に塩の結晶の表面のにがりの苦味を感じる。塩味に苦味が混じると旨味、丸みになると考えられている。しかし、にがり分が多くなると、くどさやクセも同時に感じるようになり、味も濃く感じる。溶かすとにがりは分散してしまうので味の特徴は分かりにくくなる。

にがり分が少ない塩

食塩、精製塩は、クセがなく塩化ナトリウムそのものの味。天日塩や岩塩を溶解して炊きなおして作った塩や遠心分離機で脱水した塩は苦汁分が少ない場合が多いとのこと。

岩塩(採掘)

溶け難いのが最大の特徴。岩塩を直接舐めると少し甘く感じるのは、溶解速度が非常に遅く、他の塩と比べて、口に含んだ当初の口内濃度が低からで、微粉にしたり、溶液にすると甘味感はなくなり、食塩の味に似てくる。

岩塩(溶解)

岩塩を溶解して炊きなおした塩(アルペンソルトなど)は、精製塩と成分も味も変わらない。

参考

付録、輸入天日塩

日本の塩の輸入の大部分はメキシコとオーストラリアからだそうで、ここにも日本の大手商社が大きく絡んでいたのだ。この規模の大きさには驚いたので、参考になるリンクを貼っておく。

参考

まとめ

何となく、ピンク色の岩塩(採掘)はおいしそうなイメージを持つと思うが、案の上、酸化鉄の色だったり、海塩より塩からくないように感じるのは、溶ける速度が遅かっただけだったり、イメージばかりが先行している、という印象を受ける。

何年も前の話だが、ある有名な塩の産地を名乗っている塩がメキシコやオーストラリアの天日塩を原料に、わざわざ、一旦、日本の海水に溶かして、再度、煮詰めてつくっているという話を聞いて、正直、驚くとともに、何かしらの違和感を覚えた。

1971(昭和46)年「塩業近代化臨時措置法」が成立し、事実上、日本では「イオン交換膜法」以外の方法で海水から直接「塩」をつくることが禁止された。しかし、伝統的な塩田での製塩の復活を願う人々の長年に渡る活動の結果、その当時、専売公社がメキシコやオーストラリアから輸入していた「原塩(天日塩田塩)」を原料にする、効率の悪い平釜を使う、などの厳しい制約付きで、製塩が許されたからだそうだ。

その天日塩の質が良く、さいかんしなくていい分、燃料を使わずに済み、環境に優しいという理由で、現在も同じ製法が続いているらしい。ならば、わざわざ水に溶かして、燃料を使って再せんごうしなくても、そのまま使えばいいのに、と思うのは筆者だけではないだろう。

正真正銘の天日塩なのに、大部分が工業用なので、一旦、溶かして、不純物を取り除く必要があるらしいが、安全性が高いという塩事業センターの分析結果が出ているようなので、製塩時に工業用と分けるとか、何か工夫はないのだろうか?

その輸入天日塩をどこやらの良い天然水に溶かして、さらに、にがり分を加えてせんごうした塩があったり、日本の海水に溶かしてせんごうした塩があったり、にがり分を多く残すのに乾燥方法を工夫していたり、さらには、海外の安い人件費で天日塩をつくって輸入してたり、岩塩も赤いのから黒いのまである。

一体、何がいい塩なのか?

選択の自由や権利には、消費者の選ぶ目が必要なのである。

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.04.22.

編集更新;2015.04.22.

文責;平野龍平

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