意外に知らない塩のことその4、食用塩は品質規格も消費期限もない⁉︎

消費期限と賞味期限の違いはご存知?

食用塩の品質規格

日本では食品衛生法などに食用塩の品質規格は定められていないが、英国や米国等、品質規格が設けられている国もある。

一方でCODEX(食品の国際規格)は、消費者の健康と国際貿易における食品の円滑かつ公正な取引を保証することを主要目的に、各種食品について国際規格の検討を行っており、食用塩についても規格が定められている。

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世界の食用塩は高純度で低水分の塩が主流となっていて、添加物が加えられているものも多くあるようだ。

主な添加物

炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム

塩の流動性を保つ。日本でも使用されている 。

フェロシアン化合物

固結を防止する。日本では、慢性毒性、発がん性、遺伝への影響に関するデータがないことから、食品添加物として認められていなかったが、平成14年に急遽食品添加物として承認された。中国では乾燥塩には原則としてフェロシアン添加が行なわれているが、日本では添加物として使われた例はないそうだ。

ヨウ素(ヨード)

ヨウ素欠乏症(甲状腺障害)予防のため。日本人はヨウ素を含む海藻類をよく食べ、甲状腺種などの病気にかかる心配がないことから、日本では食品添加物として認められていない。

塩の品質保持期限表示

食品には品質保持に関わる情報として期限表示が義務付けられていて(食品衛生法施行規則)、期限表示には「消費期限」と「賞味期限」の2つがあるが、塩は非常に安定した食品で、長期保存による腐敗・品質劣化の心配がなく、食品衛生法およびJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)で、期限表示を省略できる食品に該当している。

消費期限

品質劣化しやすく、製造日を含めておおむね5日以内で品質が急速に劣化する食品に表示する期限表示で、容器包装を開封する前の期限を示す。(定められた方法により保存した場合において、腐敗・変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日。)

賞味期限

「消費期限」に比べ、品質が比較的劣化しにくい食品等に表示する期限表示で、容器包装を開封する前の期限を示す。(定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。)

塩の固結

固結しない塩はなく、湿気の多いところに長い時間置いておくと、結晶同士がくっついて固まった状態(固結状態)になることがあるが、塩は、ある相対湿度以上では水分を吸い込み(吸湿)、それ以下では塩の結晶の周りについている水分を空気中に出す(放湿)という性質があり、水分を出す(乾燥)ときに固まる。

固まりにくい塩は、固結防止剤の入った塩(食卓塩、クッキングソルト、エンリッチなど)、焼き塩、苦汁を少量加えた塩(並塩)大粒の塩(造粒塩、原塩)がある。塩をから煎りすると固まりにくくなり、さらにこれに焼き米を入れると効果が大きくなる。

固まらないようにするには、濡れたり、湿気がこないように密閉容器に入れたり、温度変化の少ない所に保存するなどで、ある程度防ぐことができる。

日本で使われている固結防止剤

クエン酸鉄アンモニウム

媒晶効果があり、微細な結晶を析出させ、塩の結晶同士の結合力を弱めて架橋を防ぐ。

無水リン酸ソーダ、無水硫酸マグネシウム

乾燥効果があり、塩に代わって吸湿することで塩表面の吸湿や溶解を防ぐ。

塩化マグネシウム、塩化カルシウム

吸湿効果があり、塩の放湿を防いで塩の析出架橋を防ぐ。

炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素

被覆効果があり、塩の結晶同士の接触をなくして架橋を防ぎ、流動性を高める。

まとめ

食用塩には、食品衛生法などで品質規格は定められていない。

食品衛生法およびJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)で、期限表示を省略できる食品に該当する。

流動性を保ったり、固結防止に添加物が使用されている食用塩もある。

参考

http://www.shiojigyo.com/a040encyclopedia/encyclopedia2/encyclopedia2_3/

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.04.20.

編集更新;2015.04.20.

文責;平野龍平

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