オーガニック、有機JAS認証の野菜って、おいしくて、身体にもいいの?その1

オーガニック、有機JAS認証の野菜って、おいしくて、身体にもいいの?

オーガニック、有機JAS認証の野菜って、おいしくて、身体にもいい、というイメージがあると思うが、本当にそうなのだろうか?

COREZO(コレゾ)「 生産者と消費者をつなぎ、昔から受け継がれてきた命ある種と本物の野菜を子供たちにつなぐ、旅して、種を蒔く八百屋」賞

高橋 一也(たかはし かずや)さん

https://corezoprize.com/kazuya-takahashi

オーガニック、有機JAS認証の野菜

「一般には、オーガニック、有機JAS認証の野菜って、身体にいいとか、美味しいというイメージがあるかも知れませんが、有機JASの野菜も、基本的にF1種です。単一種を大量生産しているところもあれば、こだわりを持って多品種を小量ずつ作っているところもあって、有機JAS認証を受けていても、それぞれの生産現場の背景によって、できた農産物の品質にも大きな違いが出てきますから、一概にはいえませんね。」

「私は、有機JASの検査員もしているので、産地を廻ったり、有機JASの生産者と直に話をする機会もありますが、どうしても、経済性や効率をどう高めるか、グローバルスタンダードといわれている欧米と同等性を持って、如何に競争力をつけるか、という話に終始します。」

有機JAS認証の2つの意味

「元々、有機JAS認証には、日本の農産物を世界に向けて輸出できるように、ガイドラインをつくることと、グローバル化すること、という2つの意味があります。」

「それまでの日本の有機農業は、契約する概念がなかったので、生産者がトレーサビリティとか、栽培履歴を記録する習慣がなく、ちゃんと記録を残しておくことによって、海外にも輸出することができるようになったのですが、それは、社会の経済システムの中でのガイドライン、仕組みであって、有機JASだから美味しいという保証ではありません。私は、そういう風に認識しています。」

大事なのは農法ではなくて、その違いを消費者が知る事

「全国の生産者のところを廻っていると、有機栽培、特別栽培、自然農法、なんとか農法とか、いろんな栽培方法があって、皆さんから、ウチの栽培方法はどうかって聞かれていたのですが、最終的な結論として、農法というのは生産者の生き方だと思いました。」

「有機JASが悪いという訳ではないし、慣行で農薬を使っている生産者が悪いという訳でもない。生産者、それぞれの生き方だと思っています。結局、それにどれだけ賛同している人がいるかということです。決して否定するものではないし、私は、何が悪いだとかは、一切、言ったこともありません。」

 知らないで買うのと知っていて買うのでは大違い

「古来種には、野菜そのものの、作り手の方々の、手にとった方々の、それぞれの時と場所によって生まれるストーリーが必ずあります。それをまるごと、いただくこと。身体の中にとりこむこと、これもひとつの野菜の旨味となり、明日の私たちの身体や心を創るのではないかと、思っています。」

「でも、無理をしない方がいいんです。何も安い野菜が悪い訳ではなく、ひとりひとりの意識の中で持っているかどうかだけなんです。知らないでモノを買うのと、知っていてモノを買うのとでは全然違いますから、知っていて欲しいです。忘れられている種がこんなにたくさんあるんだってことを知っていて欲しい。そして、決して、忘れないで欲しいのです。」

まとめ

確かに、高橋さんがおっしゃるように農法は農業生産者の皆さんの生き方そのものなのかもしれない。

消費者の皆さんが野菜や農作物の品種、それを育てる農法にも関心を持ち、正しい知識を身につけて、賛同する人が増えれば、多様な在来種や固定種、農法も残っていくのだろう。

COREZO(コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.06.21.

最終更新;2015.06.21.

 文責;平野 龍平

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