1日で2万いいね!バズ部の熊野古道コンテンツから学ぶ観光集客術

バズ部熊野古道

ご自身の地域や施設に自助努力で集客したい、と願っている方々はたくさんおられると思うが、1日で2万いいね!を獲得して、まさしくバズった、バズ部「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」をお読みになられただろうか?

この記事には、皆さんが取組みべき理想的で再現性の高いマーケティングのノウハウと具体例が紹介されている。

筆者は、30年以上、旅行業や観光業に従事し、様々な観光地に訪れ、コンサル業務やアドバイス業務もしてきたが、この記事の題材となった一般社団法人「田辺市熊野ツーリズムビューロー」の取り組みは、観光地域振興の手本であり、記事をリリースしたバズ部さんのコンテンツマーケティングは、ヤル気さえあれば、大きな費用をかけずに自助努力で集客し、観光地域振興ができる非常に有効なマーケティングのノウハウである、と確信している。

どうしてそう確信しているか、解説したいと思う。

バス部については、「集客にバス部式コンテンツマーケティングの活用をすすめる5つの理由」と云う記事に詳しく書いているので併せてお読みいただきたい。

2020年3月の現時点では、新型コロナウィルス拡大の影響で、人の移動が大きく制限され、閑散としている観光地、観光施設は多いと思うが、こういう時期だからこそ、今までのやり方を見直し、劇的に効果が上がる取り組みを見つけてほしい。

バズ部と田辺熊野ツーリズムビューローの関係

以前の記事でも書いたが、このCOREZOコレゾ賞のWebサイトの前身は、費用がなく、Webの知識が全くなかった筆者がバス部のメディアに出会い、その記事を読んで、その通りに実践したら、作成、公開できてしまった。

その時は、こちらが勝手にお世話になっただけだが、感謝の気持ちは常に持っていて、その後、筆者が担当した情報発信事業を(株)ルーシーさんにお願いしたところ、引き受けてもらえて、バス部を運営する同社の石井取締役とのご縁ができた。

筆者が知る限り、和歌山県の「田辺市熊野ツーリズムビューロー」さんは、「顧客が誰か」を明確にして、顧客の現実と欲求と価値を把握し、顧客ニーズにぴったりと合った価値をもつ商品やサービスを提供する、理想的なマーケティングと顧客の気付かなかった新たな価値や満足を創造するイノベーションを実践して、観光地域振興の分野で大成功しておられる唯一の事例だ。

「田辺市熊野ツーリズムビューロー」さんは、バス部コンテンツマーケティングのノウハウは全くご存じなく、あくまでも長年独自に取り組んでこられた結果として、そのノウハウに近いことを実践しておられるのだが、集客して成果を出せるマーケティングの根本は同じであり、バズ部式コンテンツマーケティングが観光地域振興に活用できる非常に有効なノウハウだ、という具体的な根拠でもある。

1年ほど前、バズ部さんには、観光関係のクライアントさんがおられないようだったので、その「田辺市熊野ツーリズムビューロー」さんの事例を石井さんにご紹介した。
COREZOコレゾ賞受賞者多田稔子さんのご紹介記事
COREZOコレゾ賞受賞者ブラッド・トウルさんのご紹介記事

バズ部さんでも興味を持たれ、現地取材もされて、コンテンツマーケティングの観点から、2020年02月18日に「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」というコンテンツをリリースされたところ、これがまさしく、バズったのだ。

僅か数時間で約1万人が見て、500いいね。1日後には、いいね2万、シェア200を超え、これだけの大規模な拡散は、イチローの引退ニュースとほぼ同規模だったそうだ。

イチロー記事

「熊野に行きたくなった!」と云う声が、バズ部だけでなく、田辺市熊野ツーリズムビューローにも数多く寄せられたそうで、「バズ部のコンテンツは基本的にtoBなので、これまでで最大の拡散になった。toC系のコンテンツは規模が大きい。」と、バズ部の石井さんも驚いておられた。

田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長もFBで誰かがシェアしたのをご覧になられていて、「自分たちのことをこんな風に客観視したこともなかったので、大変勉強になりました。私もFBでシェアさせていいただいたところ、すごい反響です!」と、喜んでおられた。

「田辺市熊野ツーリズムビューロー」の取り組みが素晴らしいのは勿論のことだが、それを誰もが読みたくなり、シェアしたくなり、行きたくなるコンテンツに仕上げるところがバズ部式コンテンツマーケティングの真骨頂であり、ノウハウ、技術なのである。

バズ部さんでは、初めての観光関連のコンテンツだったそうだが、マーケティングの本質はどの分野でも変わらず、バス部コンテンツマーケティングは観光地域振興でも集客できることを実証された。

田辺市熊野ツーリズムビューローの取り組み

筆者が書いた多田稔子さんとブラッド・トウルさんの記事を、バズ部式コンテンツマーケティングから学んだライティングテクニックを応用して、リライトした。

ミッション=組織・事業の定義

「世界に開かれた持続可能で上質な観光地づくり」

問題点・課題

熊野古道を含む、「紀伊山地の霊場と参詣道」(奈良県、和歌山県、三重県)は、2004年7月、日本で12番目に世界文化遺産として登録されたが、、登録後、観光バスが1日に百台以上も押し寄せ、殺到した観光客は、熊野古道を部分的に1時間も歩くと、さっさと、次の観光地へと移動して行く、単なる通過観光だった。

観光客にとって、熊野古道は、ただの山道でしかなく、観光の対象として不満だったかもしれないが、道が荒らされただけで、地域が潤うと期待していた地元の人たちにとっては、とても大きなストレスになった。

ターゲット;「顧客は誰か」を明確にする

目的意識を持った欧米豪のFIT(foreign individual tourist・個人旅行客)

具体的には、熊野古道沿いには小さな宿が多いことから、熊野のよさをしっかりと理解する人に来てほしい、と云う想いがあり、旅慣れた外国人観光客にターゲットを絞った。

事業は顧客の創造であり、それを実現するためには『顧客が誰か』を明確にして顧客の現実と欲求と価値を理解することが最重要(ピーター.F.ドラッカー)。

顧客創造=ニーズを深掘りし、満足してもらえるサービスの提供

顧客(ユーザー・インバウンド)視点を徹底

外国人を受け入れたことのない地域だったので、外国人を呼び込むなら、外国人目線が必要。

和歌山県本宮町でALT(Assistant Language Teacher・外国語指導助手)していたことがあり、熊野古道のほとんどを踏破していて、地域と観光に対する考え方もしっかりしていた、カナダ人のブラッド・トウルさん(現プロモーション事業部長)を採用。

具体的な取組み

アルファベット表記の統一

英語表記の統一例

交通機関の情報整備

問題点;狭いエリアなのに4~5社バスが運行していて、同じ場所に、A交通とB交通では、別の名称のバス停が設置されている例もあった。

解決策;路線の番号表記、バス停のアルファベット表記を実現した。

具体的には、自分たちで全部のバス会社の時刻表を集めてきて、ブラッドが外国人の目線で、見やすく整理統合し、ローマ字を併記して1枚のシートにまとめるという、細かい作業を続けて、十数年かかったが、この地域の時刻表を全てつくった。

観光は、アクセスが基本の基本

アクセスが整い出すと旅行はどんどん良くなる。

路線バスは外国人だらけという状況が生れてはじめてビジネスとして考えてくれるようになる。

どんなにいいことであっても採算が合わないと動いてもらえないので、時間がかかってしまう。

10年かかったが、云い続けることで、高野山から龍神への路線バスも毎日運行が実現した。

外国人観光客対応セミナー・コミュニケーションツール

英語が話せなくても心配はない、まずは相手の文化を知ることが大切。

宿泊施設や交通事業者、神社の巫女さんに至るまであらゆる観光関連事業者に対し、それぞれの立場・状況に応じたセミナーを実施。

外国人観光客とのコミュニケーションツールとして“指さしツール”を作成。

多言語対応Webサイト・パンフレット

英語をベースに、仏・中・韓・スペイン語での多言語対応のWebサイトやパンフレットを作成

ビューローWebサイト

「KUMANO」で検索すると1位=ユーザーニーズを満たす最高のコンテンツ

kumano検索

携帯通話可能マップ;万一、熊野古道を歩いていて緊急通報が必要な時に役立つ情報まで提供

携帯通話可能マップ

多言語対応音声ガイド;ダウンロードしておけば、歩きながらガイドを聞くことができる

音声ガイド

 

音声ガイド

英語ガイドブック「熊野古道」

ブラッド・トウルさん書下ろし・編集

神仏習合と呼ばれる、日本古来の神の信仰と6世紀半ばに伝来した外来の仏教信仰とを融和させ、神と仏を一体のものとして祀る信仰形態を始め、熊野古道を歩くために必要な全ての情報を外国人にも理解できるような英語で記載されている。

熊野古道を歩くバイブルのようになっていて、熊野の精神文化に興味を持った外国人は、このガイドブックを隅から隅まで読んで、熊野古道を歩きに来る。

熊野古道は巡礼の道であり、地域に入るには、一定の責任を持つよう、啓蒙を与えていて、外国人観光客にはよく認知してもらっているので、荒らされたり、ごみが捨てられることはまずないとのとのこと。

熊野トラベル

課題;プロモーションをしっかりやって、知名度が高まるにつれ、熊野古道を歩きたいけれど、どうやっていけばいい?旅の行程をどう組めばいい?日本語がしゃべれない(英語が通じない)…と、と云う問い合わせが増え、お客様が熊野古道を歩ける仕組みが必要と気付いた。

解決策;FITは、とても手間が掛かり、ビジネスにならないので、大手旅行社は引き受けてくれず、自ら、旅行会社を立ち上げた。

熊野古道沿いのおじいちゃん、おばあちゃん経営の手数料や契約の意味さえ分からない施設と契約することから始め、クレジット対応、キャンセル対応、外国通貨対応等の課題が山のようにあって、先にクレジット決済で予約を取り、旅館などへ支払う対応等、体制を整えていった。

結果;田辺市の外国人宿泊者数は、2011年度には1,217人だったが、2018年度には43,939人と大幅に増加し、7年間で約36倍と驚異の躍進を遂げた。

田辺市熊野ツーリズムビューローのまとめ

この成功した「田辺市熊野ツーリズムビューロー」さんの取り組みをまとめると

  • この地域に訪れてもらいたいターゲットを明確に設定ししたこと
  • そのお客様の視線に立ってそのニーズに必然的にコツコツ応えてきたこと

『顧客が誰か』を明確にして、顧客の現実と欲求と価値を把握し、顧客ニーズにぴったりと合った価値をもつ商品やサービスを提供して、顧客を創造しているのである。

お客様の数は追わなくても、一定の責任を持つ、旅慣れた質の高いお客様に訪れて頂く努力を続けて来られた結果として、来訪者数が増え、地域経済が循環し、地域が良くなることで、地域住民にも喜んでもらえているという好事例であることはお分かりいただけたと思う。

「言うは易く行うは難し」である。ここまで、顧客ニーズにぴったりどころか、顕在ニーズの奥にある潜在ニーズまでも満たす、バズ部さんが定義する「良質なコンテンツとは、ユーザーが120%満足し生活の質を劇的に向上させるコンテンツ」を提供しておられるのである。

バズ部式コンテンツマーケティング

Webやマーケティングのことをご存じない方に簡単にご説明すると、

事前にターゲット顧客を明確に設定して、Web上でその顧客ニーズを120%満たす良質なコンテンツを発信することで集客し、ニーズにぴったりと合った価値をもつ商品やサービスを提供して、ひとりでに成果を産み出せる(売れる)状態にするマーケティングノウハウである。

良質なコンテンツをつくり、発信し続けていると、やがて継続的に成果を産み出す資産となることも自社のビジネスで実証しておられる。

ただ、Google検索で上位表示され、読んでもらえる良質なコンテンツを作成するには、通常の文章力ではなく、コンテンツライティングのテクニックが必要で、そのノウハウも公開しておられる。

詳しくは、「集客にバス部式コンテンツマーケティングの活用をすすめる5つの理由」をお読みいただきたい。

Google検索上位表示されるのは良質なコンテンツ

誰もがネット検索結果で行動する世の中になり、検索では寡占状態にあるGoogle検索で上位表示されなければ見てももらえない。

良質なコンテンツとは、「ユーザーが120%満足し生活の質を劇的に向上させるコンテンツ」

バズ部さんでは、良質なコンテンツとは、「ユーザーが120%満足し生活の質を劇的に向上させるコンテンツ」と定義しておられる。

読んでもらえる良質なコンテンツのつくり方

作成手順

200305運用フロー

メディアのミッションを決める=創造する「顧客は誰か」明確にする

「田辺市熊野ツーリズムビューロー」さんの場合は、「世界に開かれた持続可能で上質な観光地づくり」だが、皆さんの事業や組織のミッションを定義するには、「顧客は誰か」を明確にすることが重要。

対策するSEOキーワードを選定する

SEOとは、 “Search Engine Optimization”の略で、「検索エンジン最適化」の意味であり、ミッション達成に必要な検索されるキーワードを選定する。

初心者にはこれが何のことか、どうすればよいか良く分からない。

筆者もレクチャーを受けてもよく理解できなかったが、観光地域振興の場合、自分が旅行者のつもりになってどんなキーワードで検索するか、想像してみればよいと思う。

検索されるためには、タイトルに検索キーワードを含めた方が、SEOに有利だそうで、当然、バズ部さんでは選定したキーワードを入れておられるであろうから、バズ部の記事、「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の検索キーワードは、「コンテンツマーケティング」、「熊野古道」、「観光客」ではないかと推察できる。

これらのキーワードの検索ボリュームをGoogleキーワードプランナーで確認すると、「コンテンツマーケティング」1000~1万、「熊野古道」1万~10万、「観光客」1000~1万、「観光」10万~100万となっている。

キーワードプラン熊野古道

なぜそのキーワードで検索しているのかを明確にする

検索ユーザーが、そのキーワードで検索しているのには意味があり、そのキーワードで検索する人が、今、どのような状況にいて、何を求めて( = ニーズ)サイトやページに辿り着くのかを知ることが必要。

顕在ニーズと潜在ニーズ

顕在ニーズ:検索ユーザーが求めている情報そのもの。

潜在ニーズ:その情報を知ることによって、そのユーザーが解決したいと思っている悩み、又は実現したいと思っている願望。

顕在ニーズを満足させるだけではなく、そこからさらに潜在ニーズを叶えられるようなコンテンツが、最も良質で目指すべきものだ。

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事の「熊野古道」の場合

  • 顕在ニーズ = 熊野古道に行ってみたい
  • 潜在ニーズ = 観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティングの具体的な内容を知りたい

実際、顕在ニーズの「熊野古道」は検索順位16位、「熊野古道」+「観光」は検索順位18位で、観光旅行情報サイトが上位にいるが、リリースされて1月ほどでこの順位は凄い。

潜在ニーズの「熊野古道」+「コンテンツマーケティング」は、検索順位2位、「熊野古道」+「コンテンツマーケティング」は、検索順位2位で、コンテンツが潜在ニーズにしっかりフォーカスされていることが読み取れる。

検索ユーザー像(ペルソナ)の作成=「顧客は誰か」明確にすること

バズ部式では、記事の最後に、読者に行動を促す、CTA(コール・トゥ・アクション)の設置を推奨しており、「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事の場合、「地域観光に関するコンテンツマーケティングについてのご相談を受け付けています。バズ部までお気軽にお問い合わせください。」と云う、「問合せボタン」が設置されていることから、ペルソナは、観光地域振興に携わる自治体や観光協会の職員、宿泊・観光施設の経営者等であると推察される。

ユーザーが読み終えたときのゴールの設定

  • その検索ユーザーにとって「最高の結果」とはなにか
  • ユーザーはこのコンテンツを読み終えたら何ができるようになっているのか
  • ゴールはユーザーの行動に結びつくことを意識する
    当然、行動に落とし込めるレベルのコンテンツを作る方が、より多くの労力がかかるが、より高いゴールを設定することでコンテンツの内容が研ぎ澄まされ、ユーザーに喜ばれるコンテンツになる

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事の場合、

「さいごに」に「ターゲットのニーズを深掘りして、本当に必要なことをやっていく。これこそが真のコンテンツマーケティングではないだろうか。」と云う、ターゲットの読者に行動を促す結論がある。

提供できる価値を探る

見えてきたユーザーの願望に対するコンテンツのゴールに向けて、自分たちにどのような情報を届けることができるのかを検討する

コンテンツの価値4分類を理解し出来ることを探る

どこよりも丁寧で具体的な情報(コンテンツの作り方で生み出す価値)

ユーザーが調べていることに対して、ユーザーが感動するレベルまでコンテンツを丁寧、且つ具体的に整理して情報を提供していくパターン

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事では、一目でわかる図表を掲載している

英語表記の統一例

先手を打った情報(コンテンツの作り方で生み出す価値)

ユーザーが今後知りたいと思うであろう情報を先回りして提供していくパターン

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事では、熊野古道のコンテンツマーケティングの3要素が一目でわかる図表が本文に入って直ぐに掲載されている。

熊野古道コンテンツマーケティング

 

期待以上の効果をもたらす情報(コンテンツの内容で生み出す価値)

ユーザーの期待を大きく超えるレベルで効果をもたらす方法を、情報として提供していくパターン

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事では、実際のアクションを図表化し、順を追って、分かり易く解説している。

アクションの流れ

より本質的な情報(コンテンツの内容で生み出す価値)

ユーザーの本当の願望に対して、調べている内容が適切ではないと考えられる場合に有効なパターン

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の記事では、

「熊野古道の見どころを知りたい」と思って読んだユーザーは、今の熊野古道の魅力は、コンテンツマーケティングの手法とそれを実行した人々の熱意で作り上げられたことが分かる。

説得力の高いコンテンツに必要な4要素

主張;このコンテンツでユーザーに伝えたいこと

ユーザーの興味を惹くためにもコンテンツには主張が必要

「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」というタイトルで主張

理由;なぜ、そう主張するかの理由

本文で順を追って説明している。

証拠;理由の裏付け(具体例を交える)

提示した主張には、それぞれの具体例を交えた証拠を示すと説得力が増す。

    具体例が画像で掲示されている。

    結論;「繰り返し」の単純接触効果を狙う

    単純接触効果とは、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果を指し、例えば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていくのは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説で説明されているそうだが、「お笑い」の基本もこの「繰り返し」だ。

    「さいごに」結論が繰り返されている。

    読まれるWebコンテンツの基本フォーマット

    コンテンツ基本フォーマット

    「紙メディア」と「WEBメディア」の違い

    • 紙媒体を読むきっかけ; お金を払って読んでいる
    • WEB媒体を読むきっかけ;たまたま目にとまった

    ウェブでのユーザーの行動の特徴
    ・ユーザーはどのページから入ってくるかわからない
    ・ウェブの情報を信用していない
    ・ユーザーはいつでも退出できる

    ウェブの情報は読むことに対するモチベーションが極端に低いので、ウェブでのライティングの場合、「いかに文章の中身の質を高めるか?」だけでなく、「いかに多くの人の目にとまるか?」「いかに途中で離脱せずに最後まで読み進めてもらうか?」も徹底する必要がある。

    仮タイトルとアウトラインの作成

    仮タイトル;ゴールを意識して付ける

    アウトラインの段階では、シンプルに設定したゴールが達成できることを伝える仮のタイトルをつけておく。

    アウトライン;「主張・理由・証拠・具体例」を目次化する

    アウトラインとは、コンテンツのあらすじのことで、そのままコンテンツの目次と見出しにもなる。

    いきなりコンテンツを書き出してしまうと、どこから説明していくべきか見失ってしまうことあり、アウトラインをしっかり用意しておけば、コンテンツの制作は、アウトラインに沿って穴埋め していくような作業になりますので、短い時間でライティングを進めることができる。

    「主張・理由・証拠(具体例)」をどのような順番で伝えていくかを具体的に決定していく。

     熊野古道の完璧なコンテンツマーケティングとは
     熊野古道の魅力
     ・【課題】観光客はファンになってくれない層ばかり。熊野古道の環境も壊れそうだった
        ・【目指す姿】本当にファンになってくれる人を集客する
     アクション1. 本当にターゲットにするべき観光客は誰なのかを見極める
        ・ 徹底的なユーザー(外国人)視点を貫く
     アクション2. 観光客の痒いところに手がとどくようサービスを徹底的に強化
       ・「外国人なんて来るはずない」現地の意識を変えていった
        ・ アルファベット表記の統一
     ・ 旅行代理店の設立
     ・ その他環境整備施策
     アクション3. 観光客にとって価値の高いコンテンツの制作
     ・ わかりやすい英語Webサイトの制作
     ・ 全227ページのトウルさん書き下ろしガイドブック
     ・ 熊野古道体験をより深める「無料の音声ガイド」は3時間以上に及ぶコンテンツ
     ・ お金では買えない価値を生み出した「共通巡礼手帳」
     ・ アクションの検証と今後の課題
    さいごに
    CTA

    タイトル;興味を惹くことを最大限意識する

    観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング

    80%の読者はタイトルを見て、その記事を読むかどうかを決めているので、タイトルは、コンテンツライティングにおいて、最も重要な要素となる。

    本文他、全てのコンテンツライティングの完了後、改めてタイトルを検討する。

    ウェブ上で、コンテンツを読むきっかけは、全て「たまたま目にとまっているだけ」なので、たまたま目にとまった時に、思わず「読みたい」と興味を惹かれることを最大限意識する必要がある。

    ユーザーが得られることをストレートに伝える

    「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」

    熊野古道の完璧なコンテンツマーケティングどんなマーケティングか、知りたいという欲求が湧く

    タイトルに具体性(数字)を追加する

    【具体性を追加する2つの方向性】

    • 結果に対する具体性
    • やるべき事に対する具体性

    「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」

    簡便性を追加する

    簡便性とは「自分でも出来そうだと思ってもらうための文言」

      このタイトルには該当単語はないが、例)「たった3つのことをするだけで35倍に!熊野古道から学ぶ観光集客術」等

    32文字以内にする

    検索エンジンで表示されるタイトルは32文字までのため、文字数がオーバーしてしまうと途中で切れた状態になっしまうので、タイトルを、32文字以内になるよう表現を工夫する。

    「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」(28文字

    書き出し文;読むモチベーチベーションを高めることを最大限意識する

    ウェブのユーザーは簡単に退出できるが、たまたまタイトルが目に止まって訪れたユーザーも、最初の一段落分の文章までは必ず読むので、一段落目である「書き出し」は非常に重要なパートで、自分が求めている情報ではなさそう、読むのが大変そう、わかりにくそう等と感じた瞬間にユーザーはそのページを退出してしまう。

    「書き出し」部分は、コンテンツの精読率を大きく左右する重要なパートなので、ユーザーの読むモチベーションを高める下記の5要素を最大限意識して制作することを意識する。

    「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の書き出し文、

    熊野古道をご存知だろうか?

    紀伊半島にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと通じる参詣道で、道は三重県、奈良県、和歌山県、大阪府に跨る。2004年に世界遺産に認定された。

    一時は1,000人ほどしか観光客がいなかったのだが、外国人観光客が爆発的に増え3500%増加という驚異的な数値を叩き出している。

    しかも、一度訪れた観光客は、みんな熊野古道の大ファンになるから驚きだ。

    熊野古道の全長はなんと600キロを超える。そのうち世界遺産に登録されたのは約200キロ。比較的有名なモデルコースとしては、滝尻王子から熊野本宮大社まで、1泊2日で歩くのだがその距離約38キロ。気軽に散策できる道ではない。だから、たくさん歩ける人を集客しなければファンにはなってもらえないのだ。そのためマーケティングの難易度はグッと上がる。

    その成功の裏を読み解くと、ターゲット選定、Webサイトやガイドブックなど完璧なほどのコンテンツマーケティングがそこにある。ぜひ参考にしてほしい。

    問題提起;ニーズの追求で見えてきた、その人が悩んでいることをストレートに指摘して共感を得る

    一時は1,000人ほどしか観光客がいなかったのだが、外国人観光客が爆発的に増え3500%増加という驚異的な数値を叩き出している。

    集客できていなくて悩んでいる観光地は多く、今や国策でもあるインバウンドが3500%増加には興味を惹かれる

    解決策の提示;その人に対して提示したい解決策を伝えて、興味 を惹く

    熊野古道の全長はなんと600キロを超える。そのうち世界遺産に登録されたのは約200キロ。比較的有名なモデルコースとしては、滝尻王子から熊野本宮大社まで、1泊2日で歩くのだがその距離約38キロ。気軽に散策できる道ではない。だから、たくさん歩ける人を集客しなければファンにはなってもらえないのだ。そのためマーケティングの難易度はグッと上がる。

    難易度の高いマーケティングでどのように爆発的に増加させたのか、興味が膨らむ

    解決策が有効である理由;紹介する解決策が有効である理由を提示して、期待を高める

    外国人観光客が爆発的に増え3500%増加という驚異的な数値を叩き出している。

    しかも、一度訪れた観光客は、みんな熊野古道の大ファンになるから驚きだ。

    観光地では、何度も訪れてくれるリピーターを獲得するのが理想で、そのノウハウへの期待も高まる

    コンテンツの要約;コンテンツの要約を提示して、内容の全体像を把握してもらう

    その成功の裏を読み解くと、ターゲット選定、Webサイトやガイドブックなど完璧なほどのコンテンツマーケティングがそこにある。ぜひ参考にしてほしい。

    読み終えた時にユーザーが得られること;設定したコンテンツのゴールをストレートに伝え、 読む目的を明確にしてもらう

    その成功の裏を読み解くと、ターゲット選定、Webサイトやガイドブックなど完璧なほどのコンテンツマーケティングがそこにある。ぜひ参考にしてほしい。

    本文

    チェックポイント

    ・ユーザーにとってわかりやすさを追求し画像や図表を使い丁寧に伝えられている
    ・証拠を提示する際は情報のソースが提示されている
    ・情報を補足する必要がある場合に、適切な内部リンクが設置されている
    ・1見出しで複数のことを伝えず、1見出し1メッセージの原則が守られている
    ・細部まで十分な配慮と注意が払われている

    「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」の本文は

    「主張・理由・証拠(具体例)」をどのような順番で伝えているかお考えになりながら、再読していただきたい。

    さいごに

    チェックポイント

    ・満足感を提供する完結なまとめが用意されている
    ・まとめ内で、コンテンツに書いてあることを実践することで得られることをもう一度伝えている画像や動画等は、ユーザーにとってより分かりやすく、実践しやすく

    なるのであれば入れた方が良い

    結論1.

    ビューローの取り組みを一つ一つ紐解いていくと、非常によくできたコンテンツマーケティングの成功例だと言える。ターゲットとコンセプトを決め、環境整備と必要なコンテンツ作り。ほとんど全て私たちと同じアプローチだ。

     

    結論2.

    熊野のマーケティングの成功には、熊野に対する熱い想いがあった。そして、Webに捉われず、リアルな世界でも多くの人や組織を巻き込み施策を実行しているところは、ユーザー目線を追求していることの表れだと感じる。

    結論3.

    ターゲットのニーズを深掘りして、本当に必要なことをやっていく。これこそが真のコンテンツマーケティングではないだろうか。

    CTA(コール・トゥ・アクション)

    まとめの文章を書いたら、最後に必ず設置しておきたいのが、読者に行動を促す、CTA(コール・トゥ・アクション)。この記事の場合のCTAは以下の2つが設定されている。

    • 問合せボタン:地域観光に関するコンテンツマーケティングについてのご相談を受け付け(この記事のターゲットは観光地域振興に携わる方だと分かる)
    • ソーシャルメディアの拡充:FacebookページのファンやTwitterのフォロワーになってもらい、自社メディアを拡大するため

    バズ部式コンテンツマーケティングのまとめ

    バズ部式コンテンツマーケティングの概要は理解いただけただろうか?

    バズ部さんが「観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング」リリースされた直後に下記メールが石井さんから届いた。

    平野さん

    お世話になります。
    先ほど熊野のコンテンツをリリースしました。
    https://bazubu.com/kumanokodo-37245.html

    リリースして数時間で500いいね。
    約1万人に見てもらったという状況です。

    もともと平野さんのサイトにあったコンテンツです(笑)
    書き方次第で、もともとあったコンテンツのポテンシャルが発揮されますね。

    石井

    是非、バズ部さんのコンテンツはどこが違うか、筆者の受賞者の紹介記事と読み比べていただきたい。

    COREZOコレゾ賞受賞者多田稔子さんのご紹介記事
    COREZOコレゾ賞受賞者ブラッド・トウルさんのご紹介記事

    タイトルもSEOを考えておらず、バズ部式のコンテンツライティングテクニックも全く意識せず書いた記事で、「多田稔子」さんの検索では第4位、「ブラッドトウル」さんでは、第1位なのだが、どちらも個人名の検索ボリュームは月間10~100しかなく、上位表示されても読んでもらえる数が少ないと云うことだ。

    「コンテンツマーケティング」と「受賞者の紹介」と、記事の切り口は異なるが、書き方次第で、ユーザーの反応が全く違ってくることをしっかり学ばせていただいた。

    読まれるコンテンツには読まれる理由があるので、是非、参考にしていただきたい。

    多田稔子検索

    ブラッドトウル検索

    全体まとめ

    バズ部式コンテンツマーケティングはWebでの集客を前提としていて、田辺市熊野ツーリズムビューローの取組みでは、ターゲット顧客へのプロモーションのツールのひとつとしてWebサイトでの情報発信が始まったが、今や、Webサイトは「KUMANO」での検索1位であり、こちらもWebでの集客に成功している。

    両者に共通しているのは、「組織や事業の使命を定義する上でも『顧客』が原点にあり、『顧客が誰か』を明確にして、顧客の現実と欲求と価値を理解し、顧客が満足することこそが唯一にして最大の目的であり、使命である」として、顧客を創造しているところだ。

    顧客を創造していくには、作ったものをどう売るかではなく、自分たちの今の顧客、これからの顧客から求めらる商品やサービスを先んじて提供していくしかない。

    誰もがスマホやPCの検索で行動する今の世の中では、バズ部式コンテンツマーケティングを学んで、Webで顧客ニーズを把握して集客し、成果を産み出す仕組みをつくり、田辺市熊野ツーリズムビューローの取組みを参考に、そのニーズに応じたリアルでの商品やサービスを進化させていくことができれば、観光地域振興でも成果が上がるはずだ。

    これまで、どこかから補助金をもらってきてコンサルに丸投げしても、何の効果も上げられなかった地方自治体の職員さん、旅行会社やネット予約サイトに手数料や協力金を支払って送客してもらってきた現状をなんとか変えたいと、自助努力でご自身の施設や地域に集客したいと願っている宿泊・観光施設の経営者の皆さんの他、どうすれば自分たちの地域や施設に自分たちの手で集客できるかに取組み、悩んでおられる方がたくさんおられるはずだ。

    近年、日本全国の地方は、どこも労働人口流出、少子高齢化が進み、近い将来、存続さえ危ぶまれている地域も多い。

    日本全体でも2008年より人口減少に転じ、少子高齢化が進む中、この先、そんな地域を活性化するには、この記事を書いている2020年3月の時点では、新型コロナウィルスの関係で人々の移動が制限されているが、インバウンドを含めた地域外からの交流人口を増やし、外貨(地域外からのお金)が地域に落ちる仕組みをつくるしかない。

    そんなことは分かっている。

    では、これまで取り組んで来られたことは、大きな成果を生んでいますか?今後、イノベーションを起こせるノウハウはお持ちですか?コンサルやプロモーションに使える費用は十分にありますか?

    知り合いの地方自治体職員や宿泊・観光施設の方に「田辺熊野ツーリズムビューロー」の事例や「バズ部式コンテンツマーケティング」を紹介しても一向にやろうという気配がない。

    バズ部式マーケティングは、時間と労力を惜しまず、学習して、理解し、トレーニングすれば、誰でも習得できるノウハウにも関わらず、大変そうだ、自分にはできそうにない…と、できない理由を見つけて、思考停止し、行動に移そうとしない。

    やっても、やらなくても、あなたにかかる経費は同じ。必要なのは、ヤル気と時間と労力だけだ。

    この記事を読まれた方は、取り掛かる初期段階の時間と労力はかなり節約できただろうし、ご自身で考え、やり方を工夫すれば、さらに効率的に習得できるはず。

    あとは、やるか、やらないか、だけだ。

    文責;平野龍平

    初校;2020年3月

     

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