ユーザー主義を貫くバズ部式コンテンツマーケティングが世界を変える

石井 穣(いしい みのる)さん/(株)ルーシー取締役「バズ部」運営責任者

COREZO 「ユーザー主義を本気で貫き、ビジョン(未来像)を引き上げる突き抜けた価値を提供し、最高の結果をもたらす、コンテンツマーケティングの先駆者」賞

石井 穣(いしい みのる)さん1

プロフィール

株式会社ルーシー 取締役

バズ部

受賞者のご紹介

バズ部のコンテンツ通りにしたら、Webサイトができてしまった

実はこのコレゾ賞のWebサイトは、WordPressと云う、無料のCMS(Content Management System=コンテンツ管理システム)を使って作成しているのだが、Webサイト作成の知識も経験も全くなく、使える予算もない筆者がWebで見つけた株式会社ルーシー、バズ部のサイトの記事に書いてある通りにしたら、このサイトの以前の自作バージョンができてしまった(2019年12月以降、現在のサイトは、(株)ルーシーさんに全面的にリニューアルしてもらったもの)。

通常のWebサイト制作会社は、見栄えの良いWebサイトを見せて、客を集め、こんなWebサイトをつくって欲しい、と云う依頼を受けて、商売にするのが、ビジネスモデルだと思う。

当時、WordPressを使ってWebサイトを開設できるノウハウを提供していたサイトはいくつかあったが、ド素人でもわかるような親切丁寧さでは、株式会社ルーシー、バズ部がダントツで、全面的に参考にさせてもらったのだが、こんなにノウハウを公開してしまって、大丈夫なのだろうか?と心配に思ったのを覚えている。

「バズ部式 コンテンツマーケティングの成功事例と実践」がトップページにあり、この会社は、「コンテンツマーケティング(?)」でビジネスをしたいのかな?とは思ったが、Webサイトを開設できて、当時の目的は達成したので、「コンテンツマーケティング」を深堀することもなく、それ以降は、サイトの更新や作成時に参考にする程度だった。

2018年、コレゾ以外の事業に予算がつき、新たにWebサイトを開設して情報発信することになって、依頼先を検討した際、「コンテンツマーケティング」で検索すると、お世話になったバズ部は、7番目ぐらいだったが、より上位のサイト運営会社の内容も比較検討し、筆者的には最も腑に落ちたバズ部を含めて、3社にコンタクトを取った。

一番最初に株式会社ルーシー、バズ部から返答があり、営業がいないので来社して欲しいのことで、訪問して対応して下さったのが石井さんだった。

バズ部式のコンテンツマーケティングに合わない企業、業種の依頼は受けないそうだが、約1時間、こちらがやりたいこと、バズ部でできること等々を打合せて、その情報発信事業は引き受けてもらえることになった。

CMCJ (Contents Marketing Conference Japan)

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その後、ヒルトン東京で、バズ部主催のCMCJ (Contents Marketing Conference Japan)と云うイベントに参加させてもらったのだが、400人もの人が集まっていたのには驚いた。

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コンテンツマーケティングとは、潜在顧客のビジョン(未来像)を変えるぐらいの圧倒的な価値があるコンテンツを提供し続けることで、それを読んだユーザーが求める最高の結果や意思決定できる確信を提供し、結果として、成果を得る、Webマーケティングの一種のようだ。

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小学校教師からマーケティングコンサルタントへ

石井さんは、準公務員のご両親の影響もあって、特に何も考えずに、小学校の教員になられたのだが、良い先生もいたけど、7割ぐらいが、早く帰宅することばかり考えていて、世の中や仕事、生徒に対しても考えが甘いと云うか、軽く考えているように思えたそうだ。

もっとバリバリ働きたいと思っても、そういう環境ではなく、ぬるま湯に浸かってしまうのがイヤだったし、その上、学校や教員の世界はとても狭く、ずっとやっていくのは耐えられなくなって、民間企業に3年間働いて、独立すると決め、転職された。

1〜2年は何の役にも立たなかったと思うが、毎日、終電まで思いっきり働いていて、それがすごく楽しかったそうだ。

3年目には、新規事業を立ち上げて、軌道に乗せるところまでやれたので、辞めたいと伝えたのだが、その時の上司が辞めさせてくれず、その後、マネージャー職にも就き、新規事業をさらに2つ立ち上げ、仕事も面白くなってきたので、結局8年ぐらい勤められたそうだ。

独立して会社設立

その内に、自分でやりたいこともおぼろげに見えてきたので、2010年の7/31に辞め、翌8/1には、会社を設立して、オフィスも借り、「Webサイトをユーザー視点に切り替えて、成果を2倍、3倍にする」と云う事業を開始したのだが、当時からセミナーで講演して欲しい等の依頼もあって、既にお客様になってくれる人たちや企業もあったと云う。

起業して1年ぐらい経った頃、勤めていた会社の社長から、石井さんが辞めてからWebサイトのコンバーション(成果獲得)率が下がっているので、見にきて欲しいと云う依頼があり、コンサルティング契約を結んで、元々あった数字に戻し、それを倍にすると云うプロジェクトを立ち上げ、動かしている時には、既にコンテンツをしっかり作っていかないといけない、と云う意識が頭にあったそうだ。

(株)ルーシー バズ部との合流

―石井さんが(株)ルーシーと出会ったのは?

「独立して起業した時点で、コンテンツマーケティングみたいなことをやるのに、いろんなサイトのリサーチをしました。」

「知り合いの知り合いがやっていたこともあって、既にスタートしていたバズ部のサイトもチェックしていて、そこに掲載されていた記事の感じが良く、気に入っていたので、コンタクトを取っていました。」

「当時は、まだ、アットマークルーシーと云う社名でしたけど、コンテンツマーケティングというより、SNSを如何に活用して、バズをつくるか、と云うところに力を入れていたので、バズ部と云うネーミングにしていました。」

「実際、SNSでは既にハネていましたが、SEOではまだそんなに来てると云う感じじゃなかったので、コンテンツマーケティングの事業を一緒に始めたところ、最初の1〜2ヶ月で、それなりの企業からそれなりの問い合わせが入って、いくつか契約が進んでいって、それをこなしているうちに、だんだん抜けられなくなりました。」

「起業家向けのメディアをつくって、半年で100万PVぐらいまで行き、その時に作ったプロセスからコンテンツマーケティングの進め方とかの記事や、PDFとかをつくって、バズ部で公開しました。」

―ご自身の会社は?

「当初は、自分の会社を運営しながら、バズ部にも週に何回か顔を出して、報酬を得ていましたが、その内に自分の仕事や顧客も整理したり、こちらに統合したりして、いつの間にかこんな感じになっていました。」

コンテンツマーケティングとは?

―コンテンツマーケティングはどこかで学ばれたのですか?

「コンテンツマーケティングの考え方は昔からあって、最初に勤めた会社でも経営コンサルティングに近いことやコンテンツマーケティングのようなこともやっていて、お客様の企業と一緒に売り上げを増やしたやり方とかを本にして販売もしていました。」

「なので、以前勤めていた会社の社長の影響もあっただろうし、米国のマーケティング理論、例えば、マネジメントで有名なドラッカーやマーケティングの世界的権威であるコトラーなんかを勉強していくと、価値提供が最重要で、それによって何かモノやコトを成し遂げる、と云う考え方ややり方が基本であることは、理解していて、それがベースにあったので、自然と身に付いて行ったのだと思います。」

「潜在顧客にもっと喜んでもらえて、自然と自発的に買ってもらえるようなことをやらなくてはと思い、メルマガやセミナーとか、それらもコンテンツでしょ?色々、自分で考えたことをやっていました。」

「ただ、2010年以前は、マーケティング自体、まだ、Webが中心ではなく、リアルなマーケティングが主だったので、Webサイトは、ほんの受け皿程度の状況でした。」

「そんな時代、テレアポやセミナーにしても、全てが何かを販売するための構造になっていて、そういうのを嫌う人も当然いますよね?そういう状態がイヤでしたし、TVCMとか、中吊り広告とかもそうですが、見たくないものを見せられるとか、そんなのをを見せて無理矢理認知を作っていくような、強引なマーケティングのやり方が嫌いだったのもありますね。」

「Web上のコンテンツは、『たった一つのコンテンツをどう作るか』で、世の中に対してとても大きな影響を生み出したり、そして、とても大きな人の流れを生み出したりします。私たちは、そのような価値あるコンテンツとは何か?を職人のように、ずっと研究し、ただひたすらその定義を作り続けてきました。」

スタートダッシュ時には思い切ったことを

―Webサイトを開設するときにバス部のサイトを全面的に参考にしたのですが、ここまでノウハウを公開して大丈夫なのかと思いましたが?

「まぁ、全部は公開していないので、心配はしていませんでしたが、ある程度、思い切ったことをしないとウチのような小さな会社が知られることもないし、問い合わせてもらうこともありませんからね。」

「でも、最初に取引したクライアントさんは、ほとんどが成功して大きな成果を出せたので、それでも話題になりましたし、今だに契約が続いているところが多いですよ。」

―バズ部の初期の頃に一気に記事が掲載されていますよね?

「スタートダッシュが肝心なので、初年度、一気に100記事ほどつくって、その後、クオリティーの低い記事を削除、更新して、コンテンツマーケティング系、SEO系、ワードプレス系他の記事ジャンルに整理統合しました。」

「今、バス部の記事数としては、200記事ぐらいありますが、最近では、既存の記事を更新することはあっても、新規記事の掲載は少なくなっています。」

―よくそれだけのネタがありましたね?

「検索されるキーワードがあって、その中でもこのキーワードについては書く、書かないというのは、頭の中にあったので、記事を書くのには、そんなに困りませんでした。」

―依頼があっても引き受けないことも多いとか?

「手間と応力が要るので、自ずと限界があるのと、困っているユーザーをなんとかしてあげたいという思いがないと、バズ部式のコンテンツマーケティングの手法との齟齬がでるので、売ってナンボ、という企業からの依頼は、お引き受けしていません。」

これからのWebの世界

―これからWebはどうなっていく?

「私の中では、Webの世界というのは、今は、まだまだ未成熟な状態なので、後、10年、20年かけて、ちょっとずつ進化、成熟していくでしょうね。いろんなテクノロジーが少しずつ進歩して、今よりも価値の高いサイトやコンテンツ、商品、サービスがより正確に見極められる状態に近づいていくでしょう。」

「それは、グーグルがさらに進化するのも一つだし、グーグル以外の優れたサービスが取って代わることもあるでしょうし…。」

―セミナーでは、今のグーグルは30点ぐらいと、おっしゃっていましたが?

「2年前までは、グーグルの創業メンバーが、かなりの部分まで、企業の意思決定に関わっていて、自社の儲けより、ユーザーに価値を提供するということに関して、かなり細かいところまでジャッジできていたと思いますが、最近、大きくなりすぎたのか、対ユーザーではなく、政府を意識したり、ユーザーに利益をもたらさない意思決定をこの2年間、いくつもしてきています。」

「ユーザーにとって有益だからと、検索結果には、『広告』という表記をしてきたのですが、最近では、ユーザーに価値を提供していないと思える検索結果が出てきたり、少しずつヒビが入っているという状況があり、グーグルに対する信頼性が下がると、離れていくユーザーも出てくるので、その流れを食い止められるかでしょうね。」

「Web上の全てのコンテンツを整理するのは、とてつもなく壮大なプロジェクトです。テクノロジーはもっと進化しますから、グーグルよりユーザーの求める検索結果を提供できるアナリティクスが他社で開発される可能性は十分にあります。」

「それに、フェイスブックが顧客情報の流出で批判を受けたり、欧州をはじめとする世界の世論の中では、今、巨大企業であるGAFAが問題視される動きもありますからね。」

直観的なメディアが台頭しても文字は必要

「それから、もっと直感的に体感できる、写真、インスタグラムとか、ユーチューブとかのメディア、コンテンツは間違いなく、今より進んでいくでしょうね」

―文章を読まない若者が増えていますよね?

「そうですね。今後、さらに直感的なメディアが台頭してきて、主流になると思いますが、論文が書けないと学位は取れないし、考えを整理し、固定化して、進化させていくためには、ベースになる文字が必要ですから、知的レベルの高い人が文字を読まなくなることはないでしょう。」

「求められる情報の検索方法、情報の質、それに情報をどう受け取るか、というのは、その時代によって大きく変わっていくと思いますが、人間の脳はよくできていて、直感的にホンモノをホンモノとして感じ取れる能力があり、マーケティングの分野でもホンモノの価値を持つ商品やサービスがこれからも勝ち残っているという流れと原理原則、また、その周辺のものはこれからも大きくは変わらないと思います。」

多くの人々に優良な価値を提供できるシステム

―今後は?

「コンテンツマーケティングの事業は、スタート時の日銭稼ぎで始めたんですが、このコンサルティングの仕事は自分の時間を使うので、それには自ずと限度があり、サポートできる企業の数も限られてくるし、人を増やしていかなければなりません。」

「なので、将来的には、もっと幅広く、多くの人々に優良な価値を提供できる画期的なシステムを開発する仕事の方をやりたいと考えています。例えば、今、開発している、WordPressを使い易くするアプリもその一つです。」

コンテンツマーケティング業界をリードしていく

石井 穣(いしい みのる)5

「ただ、コンテンツマーケティングをテクニックの一つとして捉えている人が多くて、やっぱり、結果が出るか出ないかとか、コンバージョン率が上がったとか、SEOでこんなに上位になりましたとか、こんなにPVを獲得しましたとか…、っていうところに終始しているように思います。」

「それって、結局、今のテクノロジーの世界の中で結果が出ているだけなんですよ。根本的にユーザーから心底支持されているかとか、この商品やサービス、コンテンツが価値を提供しているかどうかが先にあって、それらの数字と結びついていることが大事なのですが、現状はそうではありません。」

「このサイト、スゴくいい、マジでいい、っていうサイトがなかなか出てきません。」

「ウチ以外の企業では、そんなことはやらないと思うので、コンテンツマーケティング自体をもう一度定義し直して、業界をリードしていく立場を築き、本当にいい、と思える、素晴らしいサイトがどんどん生まれる流れはつくりたいですね。」


(株)ルーシー が目指していること

(株)ルーシーのWebサイトに企業理念のようなものが書かれている。

「わたしたちルーシーは、ユーザー主義を本気で貫く会社です。」

わたしたちの思考は常に

『どうすればユーザーが最高と感じてくれるのか?』

『どうすればユーザーに届ける価値を最大化できるのか?』

『どうすればユーザーが深く感動してくれるのか?』

『どうすればユーザーの人生の質を劇的に向上させることができるのか?』

と、あり、下記の言葉で締めくくられている。

「ルーシーは、関わる人々に感動してもらうことを何よりも優先する会社です。」

筆者にとって、バズ部のコンテンツには、それらに出会った当時の状況を解決して、最高の結果をもたらし、ビジョン(未来像)まで引き上げる、突き抜けた価値があったからこそ、数年後には、実際に仕事を依頼することになったのだと思う。

COREZOコレゾ「ユーザー主義を本気で貫き、ビジョン(未来像)を引き上げるぐらいの突き抜けた価値を提供して、状況を解決し、最高の結果をもたらす、コンテンツマーケティングの先駆者」である

最終取材;2019.01.

初稿;2019.01.

最終更新;2019.01.

文責;平野龍平

 

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