意外に知らない塩のことその8、塩と人間の関係

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どうして人間が生きていくのに塩が必要なの?

人は塩がないと生きていけないのは、誰もが知っているが、どうして、塩がないと生きていけないのだろう?

塩は生命維持に不可欠

塩だけでなく、人間の体内で作り出せない何種類かの必須アミノ酸や塩以外のミネラルも不可欠で、それらは食べ物から摂取する他にない。人間の身体は食べ物からできているのであり、中でも塩は食べ物と大きく関わり、体内でも多くの役割や機能を果たしている。

人間の体内中の塩の割合

今から40億年以上前に、海から生命体が誕生し、やがて単細胞から多細胞を持つ生物に進化して、4億年ほど前に初めて生物が陸に上がったとされている。もともと海の中で命を育み、海に抱かれて進化してきた生物は、塩分が含まれた体液で身体を満たすことで、淡水や陸上で生きることができるようになったと考えられている。

人間は、約60兆個の細胞でできていて、その細胞も1つ1つが呼吸をし、エネルギーを使って、生命維持に必要なものを作り出して生きている。体重の6〜70%は水分で、このうちの2/3が細胞の中にあって細胞内液と呼ばれ、残りの1/3が血液をはじめ、細胞間を満たしている体液や胃液等の細胞外体液である。この細胞外体液には、海水にとてもよく似た構成比の成分が含まれ(塩は約0.9%)、細胞は、細胞外液という海に浮かぶようして維持されているそうだ。

体全体の塩分量は、大人と子供で異なり、大人で体重の0.3~0.4%、子供では約0.2%と云われている。

からだの中での塩のはたらき

細胞を正常に維持する

塩は、体内の水分量を調整し、細胞と体液の間の圧力(浸透圧)のつりあいを調整している。

消化

胃酸や胆汁の成分、殺菌作用もある。

腸で栄養素の分解や吸収を助ける

酸性、アルカリ性のphバランスの維持

血液が酸性にならないで、一定の弱アルカリ性を保つ働きをする。

神経伝達

脳からの神経伝達にナトリウムイオンが関係し、感覚や刺激、命令の伝達に重要な役目を果たしている。

その他

他にも、食品に味をつけ、美味しくすることで食欲を増し、食物の摂取を促す働きもしている。

摂取しすぎると

塩の過剰摂取が続くと、体は細胞外体液の濃さを保つためにナトリウムを排出しようとするため、血液内の大量の体液交換が行われて、血圧の高い状態になり、これが続くと、高血圧症になる。また、過剰なナトリウムの排出は腎臓に負担がかかり、機能が衰えるのを防ぐため、自律神経が腎臓を通る血液量を増やしてさらに血圧が高くなると云われてきたが、腎臓のナトリウム排泄機能が正常な人ではあまり血圧が上がらないことがわかってきたそうだ。

ただ、ナトリウムが過剰に増え過ぎると、人間の神経伝達と筋肉の動きに支障が出ることがあり、心筋に支障が出ると、不整脈が起こり、さらにほかの心疾患を引き起こすこともあるとのこと。

不足すると

体は下がった細胞外体液の塩分濃度を正常に戻そうとして、水分を体外に出すので、血液が濃縮して血流量が少なくなり、血圧低下や循環不全が起こって死に至る危険性がある。最近では、減塩による弊害を問題視する研究結果も増えていると云う。

人が好む塩の濃度

人が好む塩の濃度は、汁物では0.7%〜1%程度、煮物では0.8%〜2%程度で許容範囲が狭く、細胞外体液の塩分濃度とほぼ一致している。薄いとまずく感じ、塩分濃度3.5%の海水がとても飲めないように、濃すぎると食べられないと感じる。

参考

塩と人間の関係をとてもわかりやすくまとめられている

まとめ

塩は生命維持に重要な働きをしている。

塩は体内で作り出せないので食物として摂取しなければならない。

摂り過ぎても不足しても不具合が生じる。

食欲や味覚と塩は密接に関係していて、食塩摂取量についても、味覚が均衡を保つ判断をする重要な役割をしていると考えられている。

大量に発汗すると塩味を薄く感じて塩分を欲したり、健康な人間の体は、それぞれの生活環境の中で自然にバランスを取るようにできているそうだが、不自然な食べ物ばかり食べ続けていると、その味覚が正常に機能しなくなるかもしれない。

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.04.25.

編集更新;2015.04.25.

文責;平野龍平

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