種タネの話20、GMO遺伝子組み換え農作物の問題点とは?

GMO遺伝子組み換え農作物の問題点とは?

今回は、GMO遺伝子組み換え農作物の問題点について。

GMO遺伝子組み換え農作物の健康への影響

GM作物の安全性に対する動物実験は3代程度しか行われておらず、不十分であるという指摘や研究報告が数多くある。

GM作物とセットで使われる除草剤の安全性や大量散布される問題を指摘する声が多くある。

参考

http://gmo.luna-organic.org/?page_id=20

http://www.kanshokyo.jp/web/kouza/kenpatu/49/pdf/49_16.pdf

GMO遺伝子組み換え農作物の環境への影響

遺伝子組み換え農作物は、遺伝子が単一で、多様性がないため、耐性がない病虫害に弱いという側面が有り、全滅する危険性も大いにはらんでいる。また、雄性不捻のF1種は花粉をバラまかないが、GM種は花粉をバラまくので、ダイズのようなマメ科の作物は自家受粉であるため基本的に他の植物に移る危険性は低いが、 ナタネのような他家受粉の作物では近くの他の品種や雑草と交雑する可能性が有り、既存の植物の遺伝子汚染が深刻な問題になるだろうと云われている。

つまり、自然界で交雑して、同属の非遺伝子組み換えの品種も人為的に組み替えられた遺伝子に汚染されていき、永久に元に戻すことが不可能になることで、被害を受けるのは植物だけではなく、ミツバチの大量死等との関連性や虫を始めとする動物に対する影響を指摘する意見も多い。

空中撒布による環境汚染

除草剤耐性GM作物以外の植物は全て枯らせてしまえるので、大規模農場などでは、飛行機などで大量に空中撒布され、環境汚染は避けられない問題となっているそうだ。

メキシコでのトウモロコシのGM遺伝子汚染

トウモロコシの原産地はメキシコで、主食として五千年以上の歳月をかけて育んできた豊富な在来品種は、200種を超えるとされ、在来のとうもろこしを守るため、遺伝子組み換えとうもろこしの栽培は禁止されてきた。ところが、純粋な在来のとうもろこしと思われた品種から、組み換え遺伝子が発見されたという。

その原因として、メキシコでは、栽培は禁止しているものの、輸入は禁止していないので、輸送中にこぼれたGMコーンが道路沿いなどに自生した可能性があり、実際に各地で発見されていたり、また、食用として輸入されたGMトウモロコシを、メキシコの農民がGM品種とは知らずに、タネとしてまき、栽培してしまった可能性も指摘されている。

特にトウモロコシは花粉を広範囲に飛ばすらしく、あっという間に組換え遺伝子は、環境中に広まって行くことになる。

メキシコのとうもろこしの多様な在来品種と交雑することにより、遺伝子が汚染され、その健全な在来品種が失われてしまうということは、貴重な遺伝資源と生物の多様性が失われるということになる。

さらに、遺伝子交雑したとうもろこしの中には、見た目でそれとわかる奇形も各地で発見されているらしく、遺伝子交雑が奇形以外にどんな問題を引き起こすか、予測は不可能だという。

スーパー雑草、スーパー害虫の出現

現在のGM種の主流は、除草剤耐性と害虫殺虫性だが、その除草剤に耐性を持つスーパー雑草やGM種が持つ毒素では死なない虫も出現し始めたというのである。そうなると、さらに強い除草剤と耐性GM種、強い毒素を持つGM種が開発されるのだが、さらなる環境汚染は避けられず、また、自然の対応力は計り知れないものがあるので、イタチごっこは避けられないだろう。

日本でも遺伝子組み換え農産物の繁殖、交雑の実態

さらには、既に2004年の時点で

西洋ナタネは、食用油の原料として年間200万トンが主にカナダ、米国から遺伝子組み換え品種が輸出国側での分別が不可能という理由で種のまま不分別で輸入されているが、受け入れ港である千葉、横浜、名古屋、神戸の各港周辺で、輸送の途中でこぼれ落ちたと思われる除草剤耐性を持つ遺伝子組み換えナタネが繁殖していることが、市民団体が今年8~10月に実施した調査で明らかになった。

と報じられている(2004年11月20日付新聞報道)。

市民団体による2014年の調査でも、GMナタネの自生が全国各地で見つかっており、世代交代を繰り返しているだろう現実とGMナタネは、在来種のナタネや近縁のアブラナ科の植物や野菜(白菜、カブ、高菜、からし菜等)と交雑しやすく、現状を放置すれば、こうした農作物への遺伝子拡散が懸念されている。

参考

http://gmo.luna-organic.org/?page_id=14

http://www.kanshokyo.jp/web/kouza/kenpatu/49/pdf/49_16.pdf

遺伝子組み換え農作物の社会への影響

途上国からの搾取の加速と農地の荒廃

遺伝子組み換えのタネは、在来種のタネよりも高額で、セットの除草剤も必要だ。「殺虫剤を使わなくて済むから農薬代が節約になる」、「除草の手間が省けるから人件費が減らせる」、「収量もアップする」、「収入が増える」とさかんに宣伝するので、それを信じて、GMO栽培を始めた農家は、短期的には収穫量が増えるのだが、やがて、耐性を持った害虫や雑草が現れるようになり、結局、より多く除草剤や別の除草剤を撒いたり、作業も出費が増えて、さらに貧困が進むことになってしまうという指摘も多い。

また、化学肥料の使用も必須のため、農地が痩せ、より大量に化学肥料を投入するようになるので、さらに悪循環に陥りがちで、ある途上国では、広範囲の農地が一気に荒廃してしまった例もあるそうだ。

交雑したGM遺伝子による訴訟

GM種には全て特許権が取得されていて、GM種の遺伝子が交雑した在来種は、特許権や知的所有権の侵害で訴訟され、敗訴するケースが多いらしく、バイオメジャーによる種タネの独占の危険性を指摘する声も多い。

参考

http://gmo.luna-organic.org/?page_id=16

http://www.kanshokyo.jp/web/kouza/kenpatu/49/pdf/49_16.pdf

まとめ

近所のホームセンターに立ち寄ってみると、接触した全ての植物を枯らす非選択的除草剤である「ラウ◯ドア◯プ」の他、化学薬品各社のグリホサート系除草剤(特許権が切れている)が山積みにされている。

皆さん、それがどんな除草剤かよく知らないで使っているのでは?

雑草って一体何?

「雑草って何ですか?ある特定の人にだけ都合の悪い植物でしょ?稲だって雑草扱いにする国もあるんですよ。人間が要らんことすればする程、土も自然も地球も全てがダメになります。」

と、自然農を営まれている村上真平さんがおっしゃっていたのを思い出す。

https://corezoprize.com/shimpei-murakami

何度もいうようだが、今、私たちが食べているものがどんな農作物や畜産物、食品なのか、知るところから始めては如何だろう?

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.06.09.

編集更新;2015.06.09.

文責;平野龍平

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