種タネの話1、今の小松菜と昔の小松菜は別モノなのはご存知ですか?

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komatsuna

今の小松菜は昔の小松菜は別モノ

小松菜と油揚げの炊いたん、おいしいですよね?でも、今、流通している小松菜は昔の小松菜とは違うらしい…。

小松菜

小松菜は、アブラナ科アブラナ属に分類される結球しない葉菜類である「ツケナ」の一種で、チンゲンサイやタアサイ、からし菜などもこの仲間。小松菜は、もともと東京都小松川地区の特産だったが、今では幅広い地域で栽培され、都市近郊型野菜の代表格。

参考

株式会社黒怒会長、佐野 正則(さの まさのり)さん

COREZO(コレゾ)「社会悪=ブラック・黒に常に怒りを持って行動し、自立・自給・持続可能な人間本来の暮らしをデザインする、世直し事業家」賞

佐野 正則(さの まさのり)さん
COREZO(コレゾ)「社会悪=ブラック・黒に常に怒りを持って行動し、自立・自給・持続可能な人間本来の暮らしをデザインする、世直し事業家」賞...

「小松菜の原種は、ヨーロッパから中国を経由して、江戸時代の初期に日本に伝来し、品種改良が行われ、栽培が始まったといわれていますが、現在、小松菜として流通しているのは、ほとんどが、中国から来たタアサイやチンゲンサイを掛け合わせた品種です。種苗メーカーなどが、同じアブラナ科で緑色の濃いタアサイや茎が太くて見栄えの良いチンゲンサイを掛け合わせ、見た目の良いものを作っているのです。」

光郷城 畑懐(こうごうせい はふう)代表、中村 訓(なかむら さとる)さん

COREZO(コレゾ)「業務用に作られた野菜の売れ残りだけでなく、自分で育てた野菜を食べてみませんか?おいしい固定種、在来種の野菜を身近にするタネ屋さん」賞

中村 訓(なかむら さとる)さん
COREZO(コレゾ)「業務用に作られた野菜の売れ残りだけでなく、自分で育てた野菜を食べてみませんか?おいしい固定種、在来種の野菜を身近にす...

「小松菜は、栽培よりも最後に束ねて袋に入れるところが一番大変で、茎が固くて太い方が、作業効率がいいんです。しかし、本来の小松菜は柔らかくて痛み易く、1株1株、葉が横に広がって育つので、収穫量も多くありません。そこで、在来種の小松菜と遠縁のチンゲンサイと掛け合わせると、茎が太くて固く、立って育ち、病気に強い上に、収穫量も多いという、生産者と流通にはとても都合のよい品種ができました。それが今の小松菜で、一気に広まったのです。」

固定種とは?

「固定種というのは、遺伝学という学問で使われる言葉で、遺伝子情報が固定しているという意味です。例えば、大根のタネを取って蒔いて、育てて、収穫した大根が太いのや細いのや短いのや姿形がバラバラだと、『これはまだ固定していない』という言い方をします。そこから、好みの姿形、味のタネを選んで取って栽培します。また、同じことを何年か繰り返すと、だんだん姿形が揃った大根ができてきます。それを『その種が固定してきた』と言います。」

在来種とは?

「在来種は、読んで字の如しで、その地域に昔からある野菜を指します。京都には京野菜と呼ばれる野菜がありますよね?例えば、九条ネギや聖護院大根、壬生菜なんかがそうです。学問的に言えば、在来種も固定種の一種です。昔からその土地で代々作ってきたものだから、伝統野菜とも呼ばれていますが、長い年月をかけて種が固定されているんですね。」

F1種とは?

「例えば、Aのキュウリはとてもおいしいけれど、病気に弱い。Bのキュウリはあまりおいしくないけれど、病気に強くて、収穫量も多いとします。この二つを掛け合わせたら、おいしくて、病気に強くて、収穫量も多い品種ができるのでは?ということで、Aの雌しべにBの雄しべをかけて新たな品種を作る。これが昔からやっている交配という技術です。遠縁の種類を掛け合わせると、交配した第1世代に限り、双方のいいとこ取りをした品種ができるのですが、そういう一代交配種をF1種または、ハイブリット種と呼んでいます。」

「固定種は、遺伝的に固定されているので、毎年、種を取って育てても同じようにできますが、遠縁の種類を掛け合わせてつくったF1種は、種が取れたとしても、その次の第二世代は姿形がバラけてしまって、売り物にはなりません。しかし、市場からは同じものが求められるので、F1種の生産農家は、自家採種をしなくなり、毎年、タネ屋から買うようになりました。いつの間にか、そういう仕組みになってしまったのです。」

業務用に作られた野菜の売れ残りをスーパーで買って食べているようなもの

「外食やコンビニ弁当や惣菜等の中食の需要がどんどん増えていて、流通やそういった業界が種苗会社や生産者に対して大きな影響力を持つようになっています。昔はひとカゴいくらだった野菜が、今は大根1本100円で売りたいから、形も大きさも揃えて欲しい、という要望が出されれば、種苗会社や生産者もそうせざるを得なくなっているのです。」

「ま、言い換えれば、私たちは業務用に作られた野菜の売れ残りをスーパーで買って食べているようなものなのです。そんな時代に生きていることをよく認識しなければなりません。また、実は、病気に強い品種に関しては、農薬をかけたくない有機栽培農家からのニーズも大きいのです。」

今と昔の小松菜、どちらがおいしい?

「ウチの店で、今と昔の小松菜を作って食べ比べてもらうと、10人中9人の方が昔の小松菜の方が、断然おいしいと言われます。昔の小松菜には爽やかな風味もあって、味が複合的なんですよ。」

「おいしさというのは人それぞれ違うと思いますが、今、市場に出回っている大きくてきれいな野菜は、概して、水っぽいと言うか、味が薄いような気がします。太っていても痩せていても細胞の数は同じなので、無理に大きく太らせた野菜と比べると、健康な野菜ほど、密度が高く、しまっています。」

「でも、昔の小松菜を始め、固定種、在来種の野菜は、ほとんど流通しなくなってしまったのが現状です。」

まとめ

今や、家庭で調理される野菜は全流通量の3割を切ったそうで、種苗会社や生産者は、個々の消費者ではなく、外食産業や食品加工会社、大手流通の方に向いているのは、容易に推察できるだろう。つまり、外食産業や食品加工会社は味付け、加工のしやすい、均一、均質で、味の薄い野菜を求めていて、不揃いで、味にも個性がある在来種・固定種にはニーズはないということだ。

武富勝彦さんから伺った、穫れすぎて余ってしまった無農薬有機栽培の良質な大豆を捨てるのはもったいないので、豆腐や味噌等の大豆加工食品メーカーに、タダでもいいから引き取って欲しいとお願いして廻ったが、それだけのために生産ラインの機械の調整、洗浄をするのは面倒だと、全て断られたという話にも合点がいく。

小松菜とチンゲンサイを掛け合わせた品種には、ベンリ菜という品種もあるらしいが、今では、スーパーで見かけることがない。今の小松菜とベンリ菜がどう違うのか調べてみたが、ネット上では見つからなかった。

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COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.05.20.

編集更新;2015.05.20.

文責;平野龍平

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