岡野 あつこ(おかの あつこ)さん/夫婦問題研究家®/夫婦相談士®/離婚カウンセラー

COREZOコレゾ 「『離婚しても幸せになれなければ意味がない』、『ありがとう』の気持ちを大切に、相談者の人生そのものに向き合い、この先どう幸せに生きるかを、一緒に考え続ける人生のカウンセラー」 賞

岡野 あつこ(おかの あつこ)さん/夫婦問題研究家®/夫婦相談士®/離婚カウンセラー

COREZOコレゾチャンネル

受賞者のご紹介

プロフィール 

岡野あつこ(おかの あつこ)さん

離婚カウンセラー

夫婦問題研究家・夫婦相談士®・離婚相談士®
公認心理士 目白短期大学非常勤講師
NPO 法人日本家族問題相談連盟理事

岡野あつこ®離婚相談救急隊️

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。
自身の離婚経験を契機に、日本初の「離婚カウンセラー」として活動を開始。

著書 60冊
最新刊『なぜ妻の一言はカチンと来るのか』(講談社)、『その熟年離婚、妻が絶対損をします!』(ライブドアマガジン新書)
代表作『夫婦がベストパートナーになるための 77 の魔法』、『無自覚な夫のための妻の地雷ワード事典』、『産後クライシス』 ほか

講演会
全国の企業・自治体・文化センター・新聞社主催イベントにて年間多数登壇。
主な講演テーマ
夫婦関係と幸福度/熟年離婚のリアル/男女の認知の違い/離婚危機回避と納得離婚/女性の自立と結婚

YouTube「岡野あつこチャンネル」
夫婦問題専門チャンネルとして継続配信中

離婚相談だけでなく、夫婦関係修復や、その後の人生設計の相談にも長年携わり、累計相談件数は4万件を超える。

また、これまで2000人以上の離婚カウンセラーを育成。

テレビ、講演、著書、YouTubeなどを通じ、「人が誰かと生きるとはどういうことか」を伝え続けている。

プロローグ

作詞家の及川眠子先生のご紹介で、和歌山県田辺市龍神温泉の小川さださんを通じて、岡野あつこ(おかの あつこ)さんにお目に掛かり、お話を伺うことができた。

結婚相談所というのはよく聞くが、「離婚カウンセラー」とは一体、どんな仕事なのだろう。

「離婚して幸せになれなければ意味がない」、岡野あつこさんは、そう語る。

浮気、熟年離婚、モラハラ、会話の消失、定年後の孤独…。「離婚したい」だけでなく、「やり直したい」、「どうしたらいいかわからない」等々、岡野さんのもとには、長年、さまざまな夫婦問題が寄せられてきた。

しかし、岡野さんの仕事は、「離婚」の手続きを進めることではなく、修復できる関係なら修復を勧め、「まだ離婚しない方がいい」と伝えることもある。

その背景には、自身もまた、離婚によって人生が一変した経験がある。

離婚後、専業主婦から一転、家のローンを抱え、経済的苦境に立たされたが、生保営業やさまざまな事業の立ち上げを経て、自立の道を切り拓いた。その経験を基に「離婚カウンセラー」へと転身して、出版を機に専門家としての地位を確立された。

だからこそ、その言葉には、自身の経験を踏まえた重みがある。

カウンセリングでは、相談者一人ひとりの幸福を最優先し、関係修復と離婚の双方を支援する。その根底には、人間関係における「感謝の気持ち」の重要性という人生哲学がある。

岡野さんは、離婚後に苦しむ人、熟年離婚後に元気を取り戻す人、再婚してもう一度家庭を築く人等々、長年、数多くの夫婦の「人生の現実」を見続けてきた。

その中で、YouTubeでの無料情報発信も続けながら、継続的なサポートプランを通じて、人生の岐路に立つ人たちと向き合い、「この先、どう幸せに生きていくのか」を、一緒に考え続けている。

離婚カウンセラーへの道

離婚の原因

5歳年下の元夫が不動産業で若くして成功した後、派手な生活を送り、浮気が絶えなかった。さらに、岡野さんの母親が苦労して建てた思い出の家を、巧みに自分のものにしたという。

「地面師みたいなことをされた」と、岡野さん。

夫婦関係修復への努力

岡野さんは、感情に任せて離婚したわけではない。

離婚を決める前の一年間、朝きちんと起きる、化粧をする、食事を作る、優しく接する…。「まるで受験勉強をするように、本当にいい奥さんになる努力をした」と振り返る。

浮気したのは夫だった。それでも岡野さんは、いい奥さんになろうと、「自分ができることは全部やった」と思えるところまで努力した。

しかし、夫の浮気は止まらず、離婚に踏み切ったという。

岡野さんは、離婚するかどうかを決める前に、一定期間、「本当に後悔のないように、自分がやるべきことをやってから決めた方がいい」と話す。

離婚後の経済的苦境

財産分与として住んでいた家を受け取ったが、元夫名義のローンを引き継ぐことになり、実質的に「借金をもらった」ような状態になった。月40万円の生活費を得ていた専業主婦から、収入は子供の養育費10万円のみへと激減。家のローン返済16万円を差し引くと、毎月マイナス6万円からのスタートという厳しい状況に陥った。

経済的な自立を目指して

生命保険会社でのキャリアスタート

ローン名義が元夫だったため、返済額を元夫の引き落とし口座に入金する状態が続いていた。離婚後となっては、返済される保証は何もなく、「これでは危ない」と感じた岡野さんは、ローンを自分名義に変更しようと考えた。それには、収入証明を得る必要があったので、生命保険会社に就職して、営業職を開始した。

営業職としての成功

昼休みの時間を狙って担当した企業を回り、営業活動をスタートした。当初は迷惑がられることも多かったが、役職者への挨拶は、いつも明るく、礼儀正しく続けたという。その地道で真摯な姿勢が部長の目に留まり、朝礼で「岡野さんを見習え」と紹介される。これを機に同社の営業マンたちから相談を受けるようになり、そこから契約へと繋がっていった。

ローン名義変更の解決

1年程度の勤続年数では通常は困難なローン名義変更を、大学の先輩で自身の離婚の弁護も担当してもらった弁護士(銀行の大口預金者)の口添えにより、支店長決済の特例で実現することができた。

独立と模索の日々

専業主婦からの独立後、岡野さんは原宿・表参道エリアに事務所を借り、さまざまな事業に挑戦していく。最初は友人3人で借りた事務所だったが、途中で2人が抜け、最終的には一人で家賃18万円を背負うことになった。保険営業と並行して、電話代行、教育プログラム、ダイエット食品販売、結婚相談所など、試行錯誤を繰り返した。

岡野さんは、「何をやっていいかわからなかった」と当時を振り返り、「それでも、大変なことが起きると頑張る」という自身の性格から、借金を抱えながらもチャレンジを続けた。

そして、放送作家の友人の勧めでテレビに出演した際、「離婚カウンセラー」を名乗り活動を開始した。

専門家としての地位確立

テレビ局のディレクターに「コメンテーターになりたい」と相談したところ、「コメンテーターになるには、本を書かないと先生と呼ばれない」と助言され、いくつもの異業種交流会に参加した。

「ご飯も食べないで、赤い服着たり、緑、黄色、とにかく目立つ服着て、異業種交流会流行りの時代だったんで、出版社なんて誰も知らないのに、会う人、会う人に『私、本書きたいんだけど出版社知りませんか』って、手裏剣のように名刺配って、みんなと仲良くなって、本書きたいんです、本書きたいんです、って、500人から1000人ぐらいの人に言い続けていたら、とうとう出版社を紹介してくれる人が現れた。」

それで、「こういう本書きたいんですけどって、離婚の本、私の前夫がこういう人で、浮気してこんなことやって…って、話すと、『そのエピソード、面白いから書け』って言われた。」と、岡野さん。

こうして、自身の離婚体験を基にした『完全離婚マニュアル』を出版した。これにより専門家として認知され、テレビ出演や相談依頼が急増することになる。

「もう今、貴重品になっちゃって、めちゃめちゃ高くなってます。私の『完全離婚マニュアル』は。」と、岡野さんは笑う。

離婚カウンセラーの仕事

岡野さんが活動を始めた当時、「離婚相談」という言葉自体、ほとんど存在していなかった。

離婚は「恥」とされ、特に女性は、誰にも相談できず、一人で抱え込む時代だった。そんな中、岡野さんは、日本初の「離婚カウンセラー」として活動を始める。

しかし、その仕事は、「離婚」を勧め、成立させることではない。

岡野さんは、まず相談者の話を丁寧に聞き、本当に離婚した方がいいのか、修復の可能性はないのか、離婚後の生活はどうなるのか、子どもへの影響はどうかまで含めて、一緒に考えていく。また、「その人にとって、この先、どんな人生が幸せにつながるのか」を一緒に整理していく。

修復を望む相談者には、感情だけで決断しないよう伝え、時には「やり直した方がいい」と助言することもある。また、離婚を選ぶ場合でも、離婚後の生活、子どもの問題、経済的現実、覚悟まで含め、人生そのものに向き合っている。

岡野さんは、「人生相談っていうか、人生の中で幸せじゃないなっていう時期が、夫婦の中でもあったりするんで、必要な職業ですよね。」と語る。

「壊れかけた夫婦関係の中で、この先、どう幸せに生きるかを一緒に考える仕事」なのかもしれない。

「その人の人生」をシミュレーション

岡野さんは、「私はとにかく離婚も幸せにならないと意味がないと思ってるんで、幸せになるアドバイスをするんですよ。」と語る。

だから、相談者に対して一律に「離婚」や「修復」を勧めるのではなく、「その人の立場になって、相手に入り込んで、その人が思いとどまってやり直して幸せになれるのか、その人が離婚して幸せになれるのか」をシミュレーションするという。

例えば、「子供3人いるとして、4歳、5歳、6歳みたいな年子で3人いて仕事も持ってませんって言ったら、やっぱりこれ離婚じゃないよね」、一方で、「夫のDVでもう怪我しちゃって、年中骨折ってますなんて、それは、命に危険を及ぼすから、すぐに離婚じゃないの」と考える。

その基準は、「私だったらこうする」ではなく、「相談相手の立場で、その人が結婚してから今日までの軌跡を想像する」ことだという。岡野さんは、「いたこになったつもりで、その人の中に入り込んで、どっちが幸せになるかを考える」と表現する。

それでも本人が、「私は離婚したい」というなら、子どもを抱えて苦労することも含めて覚悟を確認して、頑張れるなら背中を押す、という。

修復を望んで来る人たち

岡野さんのもとへ来る相談者は、最初から離婚を望んでいる人ばかりではない。

「うちに来る段階で、修復したい人が8割方、離婚したい人は2割ぐらい」、しかし、修復を望んで相談に来た人でも、「途中で、やっぱり離婚でいいや」となる人が半分くらいいる。一方で、離婚したいと思って来た人でも、「今離婚しちゃったら損だわ」と考え直す人もいるという。

感情だけではなく、子ども、お金、仕事、老後、生活まで含めて現実を見ると、結論が変わることも少なくない。

また、男性からの相談は、「奥さんが家を出て行った。戻ってきてもらうにはどうしたらいいか」という修復相談が多いという。

一緒に暮らしている間は当たり前だった存在が、いなくなって初めて、その大きさに気づく人も少なくない。

岡野さんは、そうした夫婦を数多く見てきたのである。

熟年離婚の現実

近年、熟年離婚が増えている。

かつては、「夫が死ぬのを待つ」ような時代もあったが、今は違うという。年金分割や退職金分与などの制度が整い、離婚後、元気になる女性も多い。一方で、「この先、ご飯どうしよう、洗濯どうしよう」と、妻に生活を支えられていたことを離婚後に痛感する男性も少なくないそうだ。

離婚は、紙一枚の問題ではなく、その後の人生、生き方、孤独、生活力まで含めて、人を大きく変えるので、岡野さんは、感情論だけではなく、離婚後の現実まで見据えて相談者と向き合っている。

「ありがとう」感謝の気持ち

岡野さんは、夫婦関係が壊れる原因について、「ありがとう」がなくなることを挙げる。夫婦は血のつながらない他人だからこそ、感謝、思いやり、ねぎらい、会話が必要だという。

例えば、「毎日元気で会社行ってくれて、お給料持って帰ってきてくれる」のも、「毎日の食事の用意や洗濯、掃除」も本来、当たり前のことではない。しかし、そうした感謝の気持ちがなくなると、関係が壊れていく。そしてこれは、「夫婦関係だけじゃなくて、どんな人間関係でも同じ」と、岡野さん。

「通訳」としての役割

夫婦関係が悪化する背景には、コミュニケーション不足や誤解も多い。

「ありがとうって気持ち持ってるんですよ」と、一方の気持ちを相手へ伝えることもあり、すると、「感謝の気持ちがあるなんて思ってませんでした」と驚いて、関係が変わることもある。

「そういう『通訳』が必要で、やり直したい気持ちが双方に残っている場合には、カウンセラーが間に入ることで、お互いの誤解や張っていた意地がほどけることもある。」と、岡野さん。

一方で、「もう離婚したくてしょうがない」という状態では、限界もあるという。

継続して伴走する「家庭教師プラン」

これまでの相談件数は4万件を超え、過去には、「1日5件」の相談を受けていたそうだが、「2回程度のカウンセリングで解決なんてできない」とも語る。

そこで始めたのが、半年〜一年単位で伴走する「家庭教師プラン」だった。受験勉強のように、計画を立て、一緒に進めていく。すると、「自分で決められない」と言っていた人が、最終的には自分で人生を決められるようになるという。

「お金払って、時間も作って、それでも決められないって言ってたら人生無駄じゃないですか」と、岡野さん。

そこには、優しさだけでなく、自分の人生にしっかり向き合って欲しい、という強い信念を感じた。

YouTubeでの無料発信

岡野さんは、現在、YouTubeでも夫婦問題に関する情報発信を行っている。無料でも「奥義」まで発信しているので、「YouTubeで助けられたっていう人、いっぱいいます」と話し、その背景には、「お金がなくて相談できない人もいる」という現実がある。

YouTubeを見てから相談に来る人は、すでに岡野さんの考え方やノウハウを理解した上で来るため、相談にも乗りやすいという。

こうして、有料相談だけではなく、無料発信も含めて、夫婦問題に悩む人たちに寄り添い続けている。

少子化問題への見解

岡野さんは、少子化問題について、若い人たちの中には、「子どもを産みたいけど産めない」人がいるという。その背景には、教育費や生活費への不安がある。そのため岡野さんは、「教育費を全部無料にするとか」国が、産みたい人が安心して産める環境を整えるべきで、また、「結婚しない人も増えてる」一方で、「離婚してる人も多い」という現実にも触れ、「再婚を応援した方が、私は少子化対策になると思う」と話す。

少子化対策というと、「結婚しない若者」が注目されがちだが、岡野さんは、離婚を経験した人たちの現実も見続けてきた。

一度、結婚に失敗したからといって、人生が終わるわけではない。離婚後にもう一度家庭を築き、再び誰かと生き直していく人たちもいる。

岡野さんは、「結婚」だけを推進するのではなく、「再婚」も応援して、一度結婚に失敗した人でも、もう一度家庭を築き、人生をやり直せる社会の方が大切ではないか、と感じておられるようだ。

まとめ

岡野さんが向き合ってきたのは、「離婚」を考えた相談者の人生そのものだ。

弁護士に依頼すれば、離婚調停や財産分与など、法的な整理が始まる。

しかし、岡野さんは、「法律で勝つため」ではなく、その前の段階で、本当に離婚した方がいいのか、やり直せないのか、この先、どう生きていくのかを、相談者と一緒に考え続けてきた。

保険営業で優秀な成績を挙げて経済的に自立するだけでなく、何のコネもなく、目立つ服を着て、異業種交流会を回り、「手裏剣のように名刺配って」出版社を見つけ、自分の本を出版できる人はどれぐらいいるだろうか?

自身がやるべきことをやり切ったからこそ、覚悟を決め、離婚後の経済的苦境を乗り越えて自立し、自らの道を切り開いてこられたのだろう。

「本当に後悔のないように、自分がやるべきことをやってから決めた方がいい」という言葉の背景には、離婚に踏み切る前に、修復する努力も必要だという考えがある。

今回の取材を通じて、特に印象に残っているのが、繰り返し口にされていた「ありがとう」という感謝の気持ちだ。

岡野さんは、『破婚―18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間―』という自伝的エッセイを出版された及川 眠子(おいかわ ねこ)先生に興味を持ち、当時、同じ事務所に所属していたこともあって、マネージャーに紹介を依頼したが、なかなか実現せず、最終的には直接連絡を取って会うことができたそうだ。

それ以来、交流が続き、日頃の感謝の気持ちも込めて食事にお誘いしたところ、COREZO賞の話題になって、今回の取材のご縁へと繋がったという。

「夫婦は血のつながらない他人」だから、感謝や思い遣り、会話を失った時、関係は壊れていく。夫婦だけでなく、どんな人間関係でも同じ。「ありがとう」という感謝の気持ちを常に持ち、それを相手に伝え続けることで、人と人とのご縁を繋ぎ、新しいご縁にも繋がっていく、と岡野さん。

専業主婦から生命保険営業で好成績を挙げて、厳しい条件の住宅ローン名義変更手続きも解決し、何の伝手もなかった出版社に巡り合って、自身の本の出版まで辿り着かれた。そして、日本初の離婚カウンセラーとしての地位を確立されたのは、岡野さんの覚悟と行動力だけではなく、出会った人たちといつも感謝の気持ちを持って接してこられたからこそだろう。

「離婚しても幸せになれなければ意味がない」と「ありがとう」という岡野さんの言葉には、大きな意味が込められている。

これからも人生の岐路に立った人たちと向き合い、「この先、どう幸せに生きていくのか」を、一緒に考え続けていただきたい。

 

COREZOコレゾ 「『離婚しても幸せになれなければ意味がない』、『ありがとう』の気持ちを大切に、相談者の人生そのものに向き合い、この先どう幸せに生きるかを、一緒に考え続ける人生のカウンセラー」である。

取材;2026年5月

初稿;2026年5月

文責;平野龍平

 

 

 

コメント