土佐の山塩小僧、海抜170mの山あいでつくる塩ってどんな塩?

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土佐の山塩小僧

高知県四万十町、海抜170m程の旧大正町の山あいの、すぐ傍を流れる四万十川に注ぐ小川脇の元田んぼで「山塩小僧」という完全天日塩(加熱して煮詰めず、天日だけで製塩する)をつくっておられる方がいらっしゃる。

岩塩を採掘する訳でもなく(そもそも日本では岩塩は産出しないそうだ)、なんで、わざわざ、海から40分もかけて海水を運んで、山あいで塩づくりをしておられるのか?

森澤 宏夫(もりさわ ひろお)さん
COREZO(コレゾ)「海と山は川で繋がっていると、海で生まれ、山で育ち、笑顔をつなげる天日塩、土佐の山塩小僧」賞 森澤 宏夫(もりさ...

より、ダイジェストで抜粋

人間が自然の塩分を補給することは必須

「今から30億年以上前に、海から生命体が誕生し、私たち人類も塩水である海の中から、進化・発達してきました。そして、4億年ほど前に初めて生物が陸に上がりました。もともと海の中で命を育み、海に抱かれて進化してきた動物は、体内に海を抱いているのです。それが血液で、血液は文字通り「血潮」なんです。」

「この長い歴史からも分かるように、海の中で塩水に囲まれて生活してきた生命体にとって、自然の塩分を補給することは必須だと思います。肉類にはナトリウムが含まれているので、肉食の民族は塩分の摂取に過敏に反応しますが、元々、日本人は穀菜食中心で、カリウムが優勢なため、「塩」のナトリウムでバランスを取ってきました。それも、海水からつくった天日塩を摂取してきました。減塩や危険性が叫ばれるのは塩化ナトリウムの純度の高い塩なのです。」ー森澤 宏夫(もりさわ ひろお)さん

ゆっくりと時間をかけて作った塩の方の方がおいしい?

「まあ、ボクは、毎日、味見をしていますからね。海辺で作るのと比べると、同じ季節なら、3倍ぐらい時間が掛かります。ここじゃ、夏場で2〜3週間、冬場で2〜3ヵ月ですね。時間をかけてできあがった塩には、カルシウムなどの海水中のミネラル分も取り込まれまれるようです。カルシウムやマグネシウムをそれだけ食べてもうまいというわけではないのですが、それらが少しずつ混じり合っていることで、塩の味に深みやまろやかさが出るのでしょう。イオン交換膜で作った、純度の高い塩化ナトリウム(NaCl)と比べると、味の違いはすぐにわかると思います。」ー森澤 宏夫(もりさわ ひろお)さん

「土佐の山塩小僧」をつくり始めてわかったこと

「ここで塩をつくり始めて、つくづく思うのは、海と山は川で繋がっているということです。山が荒れると海も荒れ、山が豊かだと海も豊かになります。山で作るお塩に、海と山を繋ぎたいという想いと、この豊かな緑に包まれたおいしさを少しでも添えることができたらいいな、なんて考えながらつくっています。」

「以前、講演を頼まれて、神戸のホテルで、塩の話をしたんです。最後に、海水を汲んできて、トレイなんかに入れ、ラップして、太陽に当てておけば、誰でも塩がつくれます。すぐ傍の海から海水を汲んできて、このホテルのブランドで塩をつくったら如何ですか?って、提案すると、皆さん、そのなの誰も買わない、と言うんです。では、塩づくりもできない海にしたのは誰の責任ですか?塩づくりができるぐらい海をきれいにすることから始めては如何ですか?その海から自分たちが食べる塩をつくろうと思えば、合成洗剤や廃油等を生活排水として川や海に流せませんよね?って、話しました。」

「塩は誰でもつくれるので、塩づくりをすることで、海につながる山や川から、海を守ろうという気持ちを育てたいですね。そして、海と川や山が密接につながっていることをわかってもらえればいいなぁ、と思います。」ー森澤 宏夫(もりさわ ひろお)さん

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森澤 宏夫(もりさわ ひろお)さん
COREZO(コレゾ)「海と山は川で繋がっていると、海で生まれ、山で育ち、笑顔をつなげる天日塩、土佐の山塩小僧」賞 森澤 宏夫(もりさ...

まとめ

日本は、塩の輸入大国であるのはご存知だろうか?

塩が自由に輸入できるようになるまで、「敵に塩を送る」という言葉が残っているぐらい塩は貴重品だった。今では当たり前のように身近にあるので、日本の基本調味料の醤油や味噌の主要な原料であり、伝統的な保存法である梅干や漬物、干物などの塩蔵にも多く使われているのに、大きな関心を払わなくなったのではないか?

日本では、1997(平成9)年3月で塩専売制が廃止になり、2002年(平成14年)4月に塩事業法の経過措置が終了し、財務省への届出等が必要であるが、塩の製造、販売等が自由化された。それに伴い、沖縄、九州、四国、大島など、日本各地で流下式や天日式等の製法で海塩が作られ、専売塩はイオン交換膜法でつくった塩化ナトリウム純度の高い精製塩であったため、「自然塩ブーム」がおこり、外国産塩の輸入も激増した。

専売制がなくなり、原則、自由になったが、食品衛生の面からのチェック機構も確立されておらず、規格面も不備なままの自由化となっており、食品衛生上の問題、表示の問題などは今後業界の重要な課題となっているという。

今では、国内産、輸入品を合わせると2000種以上の塩が市場に溢れているそうで、選択の自由と権利を得ても、いい塩とは何か?宣伝、広告や情報に惑わされず、消費者が自ら選ぶ目を持たなければ意味がないだろう。

COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.04.15.

編集更新;2015.04.15.

文責;平野龍平

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