地方創生関連予算はいくらかご存知?地方創生の現実

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地方創生関連予算

平成27年度の「地方創生」関連の予算は、総額1兆円を超えるらしい。

ここ数年、そういう予算を使って都市部の企業のサテライトオフィスを地方に誘致する動きが活発だ。

ある地方都市の商工部長さんから聞いた話

大都市圏にある企業のサテライトオフィスの誘致(当然、いろんな補助金や助成金が付いている)が成功して、コールセンターの進出が決まり、求人募集(雇用創生の予算で)をしたところ、ひとりも応募がなかったというのだ。

雇用条件は、正社員で、大都市圏と同じ給与水準であるにもかかわらずなのである。

「この辺りは、有力企業が撤退して、まとまった雇用もないし、駅前の商店街はシャッター街になってしまっています。そんな中、今回の雇用条件はとてもいいので、相当数の応募があると期待していたのですが、見事に裏切られました。でもね、パチンコ屋には昼間から若者が大勢いるんですよ。」

「その一方で、役場の臨時職員には応募が殺到します。期限付きで、長くても3年しか働けないんですよ。この辺の人たちは、都会の企業では成果目標とかがあるでしょ?そんな都会と同じ労働条件であくせく働くより、のんびり働きたいんでしょうね。」

「結局、数回募集して、応募がないので都会で求人をして連れてこなければなりません。それにまた税金を使うんです。一体、何をしているんだか…。やっぱり、世の中、どこかおかしいですよね。」

推測だが、地方の人たちは、都会の企業で働きたかったら、都会に出ているよ、ということのようだ。都会で働くということは、特に東京近辺では、地代、家賃が高額なので、住居費のために働くようなものだが、地方にいて、実家に住めば、生活費もたいしてかからず、気楽に暮らせるのに、何もわざわざ、都会で働くようにあくせく働きたくはない、ということなのかもしれない。

田舎の親たちは、都会に出た子供たちよりよっぽど豊かな生活をしている

秋吉  祥志(あきよし しょうし)さん
COREZO(コレゾ)「地域活性は人口増加からと、少子化に待ったを掛ける町役場職員の持続可能な農山村づくり」賞 秋吉 祥志(あきよし ...

『家には帰ってくるな』と子供を都会にやった田舎の親の生活はというと、父親用の高級乗用車に、母親用の軽自動車、農作業の軽トラックと2tトラック、それに、外国製のトラクター、乗用田植え機、グレンタンク付きのコンバイン(刈り取った米を一時貯蔵出来るタンク付の最新型)が車庫にずらりと並んでいます。合計すれば、ざっと1千万円は下らないでしょう。

それに、居間には最新式の大型液晶テレビが据わり、家族は、みんな携帯を持って、年に何回かは集落や農協や友人と旅行を楽しんでいます。やれ、お祭りだ、飲み会だと大忙しで、都会に出た子供たちより、よっぽど豊かな生活をしていますよ。

自分の夢を叶える為に国民の血税を使うのは泥棒と同じ

霜川 剛(しもかわ つよし)さん
COREZO(コレゾ)「カッコ悪さこそカッコ良さ、農的スローライフを実践し、真の意味でのサブカルチャーを発信し続ける、納屋カフェオーナー」賞...

資金は、貧乏生活しながら、少しずつ貯め、足らない分は、国民金融公庫にでも出せるような事業計画書を作成して、母から借り、3年で返済しました。これは、私見ですが、自分の夢を叶える為に、就農支援制度とか、国民の血税を使うのは泥棒と同じじゃないか!と強く思います。現実に、行政の上手い話に乗せられて多額の借金を負い、保証人への取立てなど、特に地方、離島などでは、悲惨な話が多々あるのが実状です。

何でもかんでも東京の価値観に合わそうとするから、地方の個性が失われる

梅原 真(うめばら まこと)さん
COREZO(コレゾ)「ローカルの志と本気をカタチにする正義のヒーロー、行動で示し、デザインの力で日本の大切な風景を残す、土佐のいごっそうデ...

何でもかんでも東京の価値観に合わそうとするから、地方の個性が失われるんや。都会からやって来て、地域プロデューサーとかを名乗っとるのがおるがやろ?オレから言わしたら、何やそれ?おこがましいちゅーがよ。その土地に根付いて、暮らして、働きもせんと、ちょっと見ただけで、そこの何がわかるがか?そんな、コンサルなんかを有難がって、何でも頼りたがる地方の人もイカン。自分らの考えを持たんのがアカン。

何で高知で仕事してるかって?ここに住んで、ウチの畑で野菜も作って、仕事をしているから、高知のマーケティングやデザインの素は身に染み付いちょるき。四万十にも5年住んだからこそ、わかることもある。ローカルの仕事は、ローカルの環境、生活、価値観や考え方がわかって、依頼者と同じ目線に立たんとええもんはできんし、都会に移す理由は何もないやん。

何かの補助金も助成金も要らない

COREZO(コレゾ)「絶滅寸前の木桶職人復活プロジェクトを成功させ、ホンモノの醤油を醸造用の木桶から造れる、世界で唯一の蔵元」賞
小豆島、ヤマロク醤油、山本 康夫(やまもと やすお)さん 伝統的な製法でつくられる昔ながらの醤油 伝統的な製法でつくられる昔ながらの...

桶づくりをするのにファンドや寄付金は募りませんし、何かの補助金も助成金も要らんのです。そういうのを貰うとアテにするでしょ?桶づくりが商売として成り立たないと続かないし、ウチの醤油のように木桶でつくる食づくりも続かなくなるのです。

ウチは木桶でしか醤油をつくりません。そういう覚悟と意地もあって、桶づくりを始めましたが、ウチの蔵で使う桶だけをつくっていたのでは、私か私の次の代ぐらいはなんとかなっても、先細りするのは見えています。買ってもらえるところがあって、商売として成り立てば、他にも桶づくりをする人が出てくるでしょう。そういう人たちが増えれば、もっともっと先の世代に木桶でつくる発酵文化を引き継いでいけるのです。

まとめ

私見だが、地域の再生もできないところが、創生などできるはずもなく、まずは、地域経済を再生することが先だと思う。

地元の人が地元のモノを買わなければ、地域経済は成り立たないし、地元の人が買わないモノを他所の人が買うはずがない。

税金を使って、都会の企業のサテライトオフィスを誘致したところで、その企業の業績次第で撤退もあり得るし、今回の話のように、地域の雇用すら創出されない現実もある。

観光もそうである。観光は、地域外からの外貨を稼ぐ最も安易な手段であるが、人気商売であるが故に、他におもしろそうなところが話題になれば、すぐに目移りされてしまう。何せ、日本は、四季があり自然が豊かで、風光明媚なところだらけだし、一極集中が進み、人口減少も相まって、限界集落が増え続けているから、ライバル地域は山のように存在している。

そこでしか買えないモノ、食べられない食、観れないモノ、経験できないこと、…等々で差別化が図られているそうだが、中でも、そこでしか会えない魅力的な人がたくさんいればいるほど、地域は輝き出すようだ。それは、似たような風景や食べ物は探せばあるが、「人」は、その「人」以外に同じ「人」が存在しないからだ。

ヘンなお金がぶら下げられると群がってくるヤカラがたくさんいるが、あるお金は使わなければソンという発想に他ならず、結局、他人のお金(廻り廻って自分たちの税金だが)だから、失敗しようが、どうしようが、誰も困らないし、どこにも責任がない。

そして、次から次へと借金を重ねて、自分たちの孫子の代にツケを廻し続けて知らん顔なのである。

そのヘンなお金っていうのは、ヘンなお金を付けてやったのに、何もできなかったじゃないか、という言い訳をつくり、地方創生なんで無理だからもう諦めなさい、という手切れ金のようにも思える。

身銭を切るから自助努力をするのであって、お金がなければないほど、知恵と体力を振り絞り、工夫が生まれる。活気があり、成功している地域は、そういう人がたくさんおられるところが多い。

地方の地域には、戦前までは自立して自活していた痕跡がそこかしこに残っている。地方の休校や廃校になった学校を見る度に、ここにいた子供たちはどうしていなくなったのだろう?と考えてしまう。

地方で暮らす人たちも、生産者の都合で大量生産された商品を安価だという理由で買い続けたから、地元の中小零細企業の商品は売れなくなって、廃業し、仕事がなくなると、雇用を求めて生き残った大企業のある都会に出て行くことになる。

都会に出た生活者は、地方のように畑もできないから、一方的に大量生産されたモノを消費するだけの単なる消費者になり、選択の自由や権利も知らない間に失っているのだが、地方でも、地場産業がどんどん経営が厳しくなり、どこに行っても、資本力があり、全国シェアを握った同じ大手流通、コンビニ、大手外食チェーンしか存在しなくなって、同様に選択の自由や権利を失っているのである。

どうして中央に頼らないと(地方交付金等)地方は、生きていけなくなったか、その原因と理由を考えれば、自ずとやるべきことが見えてくるはずで、地方の新聞だけは、全国紙よりローカル紙の方が圧倒的なシェアを握っているのだが、そういうところに地方再生のヒントがあるような気がする。

COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2015.05.12.

編集更新;2015.05.12.

文責;平野龍平

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