和田 友美(わだ ともみ)さん/みかさぎ麹屋 代表/麹士

COREZOコレゾ 「心身のバランスを崩して休職中に 発酵食に出会って復調したことから麹に魅せられ お米作りから思いを込めた麹を手づくりして地域活性化も夢見る麹士」 賞

和田 友美(わだ ともみ)さん/みかさぎ麹屋 代表/麹士

みかさぎ麹屋

笠置山から流れる水と澄んだ空気で育った⽶のみを使い、昔ながらの室蓋製法で丁寧に⼿作りしておられる、岐⾩県恵那市笠置町の⼭奥にある⼩さな麹屋さん。
田植えから精米まで自分たちで行い、洗米、蒸米~出麹まで全て手作業で行い、現在、販売店舗はなく、予約制とのこと。

神が宿っていると云われる霊峰 「笠置(かさぎ)山」は、地元住民から敬称で「御笠置(みかさぎ)」と呼ばれていることから、「みかさぎ麹屋」と名付けたそうだ。

プロフィール

みかさぎ麴屋 店主

・発酵食品ソムリエ・体が喜ぶ発酵食料理教室講師・お味噌汁復活委員会ライター

◆各種資格
・国際中医薬膳師
・薬膳麹士認定証
・上級麹士認定証
・からだが喜ぶ発酵料理教室認定証

とは

以下、「みかさぎ麹屋」Webサイトより転載

主に蒸した穀類に麹菌(学名:​アスペルギルス オリゼー)を加えて繁殖させたものです。

体に有益な微生物の麹菌や酵素がはたらき、おいしい発酵食品を生み出します。

日本人には欠かせない万能調味料の味噌、しょうゆ、みりん、酢、そして日本酒は古来より神々や天皇にささげるため作られ、現在でも冠婚葬祭や行事などに欠かせない存在です。

これらはすべて麹から作られる発酵食品です。

また、麹菌は『国菌』として認定されています。さらに日本人の伝統的食文化である「和食」がユネスコの無形文 化遺産に登録されています。

世界が認める日本の食文化は麹から始まり、発酵を行う小さな微生物たちに支えられています。

麹の効果

以下、「みかさぎ麹屋」Webサイトより転載

麹の微生物と酵素は、うま味を引き出すだけでなく、消化や吸収を促進したり、腸内環境を整えてくれる働きがあるとのこと。うれしいですね!
目に見えない微生物の力。信じる信じないは・・・・あなた次第。

みかさぎ麹屋でつくられている麹

販売商品はこちら

以下、「みかさぎ麹屋」Webサイトより転載

麹には「米麹」「麦麹」「豆麹」の代表的な麹がありますが、みかさぎ麹屋ではこの他に「黒糀」「玄米糀」薬膳麹 として「はと麦麹」なども製麹します。

塩麹

売れ筋商品、大手メーカーの塩麹とはひと味もふた味も違う

発酵粒マスタード

有名な粒マスタードとのコラボ商品で、珍しいと云うか、粒マスタードの辛味をマイルドにして、旨みを増したような初めての食味で、ローストビーフや蒸し鶏、蒸し豚等にピッタリだし、大松マヨネーズと混ぜると絶品の味わいになる。

たまねぎ麹

ウワサの「たまねぎ麹」を試してみたくて、和田さんに麹を分けていただき、ご指導の下、自作した。

この「たまねぎ麹」適量(お肉全体にしっとり馴染むぐらいが目安)と鶏肉や豚肉をビニール袋に入れ、しっかり揉み込んで冷蔵庫でしばらく寝かせ、ソテーにすると抜群に美味しい。カレーに入れるとこれまた旨さ激増しで、思わず、ムフフ…とほくそ笑んでしまう。

みかさぎ麹屋開業の経緯

和田さんは、心と身体のバランスを崩して休職していた時に発酵食料理に出会い、発酵を促す麹の勉強をしていく内に、脳と腸は、「脳腸相関」と云って、常に情報を交換し合い、互いに影響を及ぼし合う関係にあり、腸内を整えると脳にも良い信号が届いて、自律神経や交感神経にも良い作用があり、精神状態が安定し、鬱にも効果があることを知った。実際、発酵食料理を食べることで徐々に心と身体のバランスが整い、体調も回復に向かうと云う実体験をしたことから、麹の力に魅せられ、自分でつくってみたいと思い、それまでの仕事を辞めて講座を受講し、「麹士」資格を取得された。
その後、長野の麹屋さんからの指導も受けて、みかさぎ麹屋を開業された。

麹士とは

「麹士」とは、麹造りの技術を習得した人のことを指し、「麹士」を養成することを目的として2013年に発足した「麹でロハス推進会」と云う民間団体の資格制度で、の資格取得講座も開催されている。

米麹のつくり方

米を洗う→水を切る→米を蒸す→米を冷ます

→「種切り」(種麹を少し撒く→米を混ぜるを数回繰り返す)

→「培養」(清潔な布でひとまとめに包み、30〜40度ぐらいに保温)

切り返し」(18〜20時間経過すると、麹菌が発芽し、麹の甘い香りが漂ってくるので、米をいったん布から取り出し、米をひと粒ずつバラバラにほぐし、再度布で包み込んで、保温再開)

盛り(3〜8時間経過後、トレイに濡らしてしぼった布を敷き、その上に厚い板状になるよう米を移したら、米の上にも清潔な布をかぶせ、再び保温

→「中仕事」(5時間経過後、かたまった米を再び手でほぐす)

→ 「仕舞仕事」(2時間後、さらにもう1度米をほぐす)

→(約3時間経過後=「種切」からおおよそ42-50時間経過後)

→完成(菌糸がくっついて米が板状になり、簡単に手でほぐれる状態が目安)

みかさぎ麹屋のこれから

現在、麹関連商品の製造販売だけでなく、「麹士」の資格取得講座やレストランとのコラボで発酵食メニュー開発他もしておられるが、今後、麹室の規模を拡大し、拠点となる店舗を設けて、発酵食を召し上がっていただけるスペースや麹づくりだけでなく味噌仕込み他のワークショップ、若いお母さん方と食育活動ができるようなスペースも確保したい、また、この周辺にたくさんある遊休農地を有効活用し、地域の皆さんと協力して米づくりから麹をつくり、さらに、思いを込めた味噌やその他の地域の名産品をつくって販売できれば、雇用が生まれるし、地域の活性化にもつながると、和田さんの夢は広がる。

そして、その和田さんの思いは、2023年11月の「全国発酵食品サミットinえな」開催にも繋がった。

麹や発酵食にどのような効果があるのか、カンペキ文系アタマの筆者にはサッパリ分からないが、前述したように、塩麹やたまねぎ麹に肉類を漬け込んで焼くだけで美味しくなるのは筆者の駄舌でも明か、それで腸内環境が整って、荒んだココロも安定するなら、云うことなしだ。

COREZOコレゾ 「心身のバランスを崩して休職中に 発酵食に出会って復調したことから麹に魅せられ お米作りから思いを込めた麹を手づくりして地域活性化も夢見る麹士」である。

取材;2023年7月
初稿;2023年11月
文責;平野龍平

 

 

 

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