島田 由香(しまだ ゆか)さん/ 一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会(PCW Japan)代表理事/株式会社YeeY 代表取締役

COREZOコレゾ 「長年、ウェルビーイングリテラシー向上に取り組み、労働力・担い手不足、事業継承・空き家対策などの地域課題を解決し、地域活性化につなげる『TUNAGUプロジェクト』企画・推進者」 賞

島田 由香(しまだ ゆか)さん/ 一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事

プロフィール

 一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会(PCW Japan)代表理事/ 株式会社YeeY 共同創業者・代表取締役 / アステリア株式会社 CWO。

慶應義塾大学卒業後、パソナを経て、米国コロンビア大学大学院にて組織心理学修士号取得。

日本GEにて人事マネジャーを経験し、2008年ユニリーバ・ジャパン入社。2014年より取締役人事総務本部長に就任。人のモチベーションに着目し「WAA」など独自の人事施策を多数実行、同社はForbes WOMEN AWARDを3年連続受賞した。

2017年に株式会社YeeYを共同創業し代表取締役に就任。マーティン・セリグマン博士やエド・ディーナー博士、タル・ベン・シャハー博士などウェルビーイング研究の世界的権威を招聘したカンファレスを行うなど、日本企業や社会のウェルビーイングリテラシー向上に貢献。企業の経営支援や人事コンサルティング、組織文化の構築支援などを通じて、日本企業のウェルビーイング経営実現に取り組んでいる。

自身も1年の半分近くをワーケーション先で過ごすなど地域活性に情熱を燃やし、地方自治体の組織コンサルティングやワーケーションなどのコンテンツ開発支援、地域住民のウェルビーイングを高める仕組みづくりを行う。また、内閣官房 行政改革推進会議有識者議員をはじめ、内閣府、総務省、林野庁、観光庁、その他 地方自治体などにも有識者として招聘される。

ウェルビーイング

たまたま龍神温泉 季楽里龍神に立ち寄られた島田 由香(しまだ ゆか)さんを季楽里龍神の小川さださんから紹介され、時間のご都合もあって、20分ほどお話を伺えただけだったが、おもしろそうな活動をしておられるという印象を強く持った。

その時、主にお聞きしたのは、龍神温泉がある田辺市と同じ和歌山県のみなべ町で実施されている、「梅収穫ワーケーション」という、一次産業ワーケーションを通じて自分らしい生き方・働き方の選択肢を増やす研修プログラムのお話だった。

島田さんからは「ウェルビーイング」という言葉が何度も出たので、改めて調べてみると、「ウェルビーイング」とは、身体的、精神的、社会的に満たされた状態、つまり「よく在る」状態を表す概念で、単に病気でないだけでなく、幸福感や満足感を持って、自分らしくいきいきと生きている状態を指し、また、文部科学省のWebサイトには、身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念、とある。

プロフィールにあるように島田さんは、企業で人事や人材育成を担当し、独立後も企業や社会の「ウェルビーイングリテラシー」向上に努められてこられたそうで、「ウェルビーイングリテラシー」とは、健康や幸福に関する情報を収集・理解し、自己の幸福や社会参加に役立てる能力のことで、具体的には、健康に関する情報だけでなく、社会とのつながりや生活環境など、総合的な幸福に関わる情報を理解し、より良い生き方を選択するためのスキルを指すとのこと。

島田さんが関わられたユニリーバの「WAA (Work from Anywhere and Anytime)」は、社員が働く場所や時間を自由に選択できる制度で、事前に申請すれば、会社以外でも勤務可能、勤務時間も自由に決めることができるので、働く場所や時間の選択肢を広げることで、仕事へのモチベーション向上にも繋がり、「WAA」によって働き方を自由に選択できるからこそ、自分で決めて行動し、成果を出すという意識が醸成され、今では「WAA」は、ユニリーバで仕事をする上では欠かせない制度として浸透し、社員のウェルビーイング向上や生産性向上に繋がっているとされる。

梅収穫ワーケーション

和歌山県のみなべ町で実施している「梅収穫ワーケーション」とは、みなべ町は、梅の生産量日本一の和歌山県の中でも梅の最高品種である「南高梅」の一大産地だが、梅農家さんの高齢化、後継者不足により、人手不足が顕在化している。そこで、参加者の「ウェルビーイングリテラシー」の向上を図ると同時にワーケーション先の「梅農家さんの収穫を手伝い、人手不足の解消に役立てよう」という試み。 

ワーケーションとは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、普段の職場とは異なる場所で、休暇を楽しみながら仕事をする新しい働き方。テレワークの普及とともに広まり、柔軟な働き方として注目されているが、「ワーク」と「バケーション」でいうと、「バケーション」のほうが大事で、バケーションと聞くと休暇や遊びを想起sるが、本来の意味である「心を空にする」ことにこそが重要、と島田さん。

農業などの一次産業において、素人でもできるのは単純作業なので、「自然に触れる」、「単純作業に没頭する」ことで、不要なものを削ぎ落とすことができ、身体を使い汗をかいて生産者さんや地域に貢献できれば、感謝され、良い気持ちになればウェルビーイングが上がるという仕組み。

「ワーケーション」に参加する人は替わるのに、その都度、梅農家さんは収穫の仕方を教える手間はどうなのか、心配になるが、それほど難しい作業ではなく、携わっているスタッフも何度か一緒に収穫している内に教えることができるようになるし、「梅収穫ワーケーション」にリピート参加される方もおられ、受け入れのために農家民泊を始める梅農家さんもいらっしゃって、地域の活性化にも良い影響が出始めているそうだ。

「ワーケーション」に参加するのは、40代、50代の方が多いらしく、働き方改革が進む中、今後の働き方や第二の人生の過ごし方を模索する年代なのだろう。

TUNAGUプロジェクト

このワーケーションをさらに進めたのが、「TUNAGUプロジェクト」で、農山漁村と都市部参加者双方のウェルビーイングを向上させ、研修終了後も対象地域の活性化に関わってくれる「地域を活性化する人材」を育むためのプログラムも取り入れて、持続的なつながりを生み出すことを目的とし、この関係人口(=地域リーダー候補生)を体系化・事業化することで、労働力・担い手不足、事業継承・空き家増加などの地域課題を解決し、地域活性化につなげていく取り組みだそう。

今回は、時間がなく、また改めて取材できればと思うが、「人材育成」プログラムが「地域活性化」に貢献して、農山漁村と都市部参加者双方のウェルビーイングが向上し、地域課題の解決につながれば、言うことなしの取り組みになるだろう。

COREZOコレゾ 「長年、ウェルビーイングリテラシー向上に取り組み、労働力・担い手不足、事業継承・空き家対策などの地域課題を解決し、地域活性化につなげる『TUNAGUプロジェクト』企画・推進者」である。

取材;2025年7月
初稿;2025年8月
文責;平野龍平

 

 

 

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