速水 亨 (はやみ とおる)さん

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COREZOコレゾ「環境配慮型の森林経営を受け継いで、生物の多様性を確保し、厳しい経営環境の中、日本林業を立て直す挑戦を続ける九代目林業家」賞

速水 亨(はやみ とおる)さん

プロフィール

速水林業代表

株式会社森林再生システム代表取締役

1953年生まれ

1976年慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、家業の林業に従事

1977~79年東京大学農学部林学科研究生、硫黄酸化物の森林生産にあたえる影響を研究

森林経営の機械化を行うと共に国内の林業機械の普及に努める。

現在、1070haの森林を環境管理に基づいて経営を実行し、2000年2月に日本で初めての世界的な環境管理林業の認証であるFSC認証(森林管理協議会)を取得。

2000年10月、国連大学主催のシンポジウムThe Value of Forestに日本のパネラーとして参加

2001年4月、国連大学主催の第2回ゼロエミッションフォーラムで基調講演

2001年4月、第2回朝日新聞「明日への環境賞」森林文化特別賞受賞

2009年6月、第7回「日本環境経営大賞」環境経営パール大賞受賞

2018年、平成30年度農林水産祭林産部門天皇杯受賞

受賞者のご紹介

日本の林業

速水さんは、三重県で9代続く、「速水林業」の代表。

現在、日本の国土の約67%が森林で、その面積は約2,500万ha、うち人工林が約1,000万ha。世界の陸地に占める森林の割合は、約30%なので、世界でも森林率は高いと云える。

日本には、古来、森林が至る所にあったので、日本人には、植林して木材を得ようという意識はなく、江戸時代には、森林の伐採が進み、山にはパラパラと木が生えているだけだったそうだ。

その後、明治になって植林が奨励されたのだが、海外との戦争が始まると木が切りつくされ、神戸の六甲山をはじめ、ハゲ山になってしまった山々は、戦後、大規模に植林された。

実は、あの伊勢神宮でも、神宮林の植林を始めたのは、大正になってからで、20年に1度の式年遷宮では、ヒノキを中心に大量の木材が必要になるが、伊勢神宮周辺の木を全部切って、愛知県を切り上り、三重に戻って、宮川流域を上流に遡って全部切って、木曽に入って切り始めた頃、このままでは使える木がなくなるという危機感から、植林を始めたが、式年遷宮に使用できるようになるには、200年以上かかるそうだ。

木は放っておくと、下部は太く、上部が細くなるので、最初に密集して木を植え、競争をさせて、真っ直ぐ上に伸ばした後に、間引き、間伐して、太らせ、長い柱や梁が取れる木に育てるそうだが、戦後、70年以上が経過し、伐採期を迎えても木材の値段が上がらないため、手入れもされずに放置される森林が増えた。

現在の木材価格

「速水林業」のWebサイトによると、国内の木材価格は、1980(昭和55)年をピークに低下傾向で推移していて、この傾向は立木価格において特に著しく、国産材の主要な樹種であるスギの2001(平成13)年の立木価格7,047円/m3は、ピーク時(22,707円)の31%になり、さらに下落した後、近年は横ばいで推移していて、平成29(2017)年3月末の山元立木価格は、2,881円/m3だったようだ。

この立木価格とは、丸太市場価格からこれに係わる経費(伐採・搬出費、労災保険料、トラック運賃、市場経費等)を差し引いた伐採する前の樹木としての価格で、森林所有者の手取額となる。

千葉県農林水産部森林課の試算では、50 年生のスギ林の平均樹高を22m、胸高直径を25cm とすると、スギ1 本の幹材積は材積表から0.5746m3 となるそうで、平成29(2017)年3月末の山元立木価格は、2,881円/m3だから、50 年生のスギ1 本の値段は、50年育てても1,655円にしかならないことになる。

一方、農林水産省「平成20年度林業経営統計調査報告」(平成23(2011)年1月)によると、植栽から50 年生までの造林・保育に要する経費(植栽準備、植栽、下刈り、枝打ち、間伐等)は、スギ人工林では、平均で約231 万円/ha となっており、2,500 本/ha植栽したものを20%ずつ2 回間伐すると残存木は1,600 本、被圧されて枯死するものを考慮し、50 年生で1,500 本が残ると仮定すると、50年生1 本あたりの経費は、1,540 円となり、平成22 年の山元立木価格の2,654 円/m3だと、1,525 円/本なので、単純計算で、スギを50 年間育てても赤字となる。

これでは、誰がどう考えても、木を切り出しても赤字になるだけで、山の手入れも何もしない方がましだということになる。

速水林業、生産性向上への7つの方策

そんな中、速水林業では、林業の厳しい経営環境は長期間好転しないと考え、7つの生産性向上の方策を策定し、①可能な限りの作業用自動車道開設と②それと並行しての機械化、③優良材生産を目標に集約育林作業の実行、④林木が目的とする生産材に最も適した径級に到達した時期を考慮して比較的長伐期を目指す、⑤優良造林品種を選抜し、接ぎ木、挿し木等による育種、⑥インターネットを利用した高品質材のPRと流通販売体制の強化、⑦環境配慮に取り組んでこられた。

FSC(森林管理協議会、本部ドイツ・ボン)の認証

環境配慮においては、戦後、林内の下層植生の維持、広葉樹の繁茂に努め、さらに、世界各国の森林を訪ねて環境配慮型の森林管理を取り入れ、「美しい山造り」に取り組んでこられた結果、2000年2月、速水林業の森林(1070ha)は、国際的機関であるFSC(森林管理協議会、本部ドイツ・ボン)の認証を日本国内で初めて取得した。

FSCは1993年、WWF(世界自然保護基金)などの環境団体や林業者、木材取引企業、先住民団体などによって組織された非営利の国際団体で、FSCの森林認証は、「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を推進することを目的としており、認証された森林から出された木材・木材製品にロゴマークを付けて流通させるもの。

さらに、速水林業では、加工流通過程において、認証された木材以外のものが混合されないよう管理するシステムに対して与えられる、CoC認証(生産物流通認証) も合わせて取得された。

FSC認証を取得したメリット

  • 従来の日本の森林管理というのは、世界の中でも特殊性が強いと国内では云われてきたが、海外の基準が普遍的なものになっていることがわかり、国内だけで見ていた森林管理を国際的な視点で見られるようになったこと。
  • 地域の取引のある製材業者や木工業者が積極的にFSC COC認証を取得してくれたこともあり、共同体意識が醸成され、FSCを核としたグループとして住宅用の木材を販売するようになったこと。
  • 現在、国内の木材価格が低下し続けている状況で、認証による価格の優位性は感じられないが、家具などより消費者に近い商品と関わりを持つことができるようになったこと。
  • 日本の消費者の一番の関心事は、いかに安い木材を入手できるかだが、今後、どの森林からの木材か、違法伐採ではないか、といった視点が必要になってきた時に「FSC認証」は、ひとつの判断基準になること。

株式会社森林再生システムでの取材

以上の予備知識を頭に入れ、農林水産省中央森林審議会、農林水産省林政審議会他の委員を歴任されてこられた速水さんが社長を務める株式会社森林再生システムでお話を伺った。

今の日本の林業を取り巻く環境

「平成30年5月25日、新たな法律である『森林経営管理法』が可決、成立し、平成31年4月1日に施行され、『森林経営管理制度』がスタートしました。」

「適切な経営管理が行われていない森林を、意欲と能力のある林業経営者に集積・集約化するとともに、それができない森林の経営管理を市町村が行うことで、森林の経営管理を確保し、林業の成長産業化と森林の適切な管理の両立を図るのが目的なのですが、それなら、タダでいいから山ごと持って行ってくれ、という山の所有者が続出しました。」

「この法律は、所有者がいることが前提なので、市町村の所有になるとこの法律が適用できなくなります。」

日本の林業経営

「世界的に林業を見ると、植林してそのまま放置と云う方が常識で、日本のように手入れする方がおかしいんです。」

「手入れしても儲かっていたから、手入れをしていたのですが、日本の木材が国際価格まで下がり、国際価格の中でも最も安い木材になってしまったので、今では、中国にも輸出できるようになりました。」

「国産材が国際価格になってしまった以上、海外と同じようなやり方をしていかなければ立ち行きません。ドイツでは、間伐はするけど、植林はせず、勝手に生えてくるのを待っているようなやり方なので、育林費は日本の1/100ぐらいで済みます。」

「欧州の森林には、ブナの植生と楢の植生がありましたが、中世の頃にほとんどが伐採され、ドングリを食べる豚の放牧や戦争もあって、森林が消滅する危機に直面して、木を植え始めたという歴史があります。約200年前、大型木造船造船のための過剰伐採によって森林資源が枯渇してしまったドイツの黒い森も人口林です。」

「日本には、どこにでも森林があったので、植林をして木材を得るという意識はありませんでした。伊勢神宮の神宮林で植林されるようになったのが大正で、日本中で大量に植林するようになったのは、戦後のことです。」

「現在、日本で山に再投資できる林業経営ができているところはありません。僕も、自分の山の木を切っては、植えてをやってきて、かれこれ20年ぐらい採算が合わないと思いつつも、持っていた資産を山に投資し続けてきた結果、もう財布の中身が空っぽになって、この先のことは皆で考えてくれ、と従業員に云ったのが林業の現実です。今では、不動産業等、他に収益事業をしていないと、林業だけで成り立っているところはありません。」

国産材の価格が下がっている原因

「世界中の木材価格は上がっているのに、日本だけが下がっているのは、明らかに政府の政策ミスです。」

「日本は、少子高齢化で、労働人口が減っていく中、住宅の新築件数も減っていくでしょうから、ビルやマンションの内装に天然木が使われるようにならないと木の需要は増えませんが、戦後すぐに制定された消防法がその足かせにもなっています。」

「軒高9mを超える木造建築物等は火災により倒壊した場合に周囲への影響が大きいことから、主要構造部を耐火構造とすることが義務付けられているのですが、昭和20年代の木造遊郭の火災からつくられた基準がそのまま残っているのです。」

「消防団から消防署になり、消防が現場に駆け付ける時間が格段に速くなっていますし、高所にも対応できる消防車をはじめ、防火・消防設備も進化しているのに、戦後のバラックが多かった時代の基準がそのまま適用され続けているのですが、そんなことが山のようにあります。」

「新しい技術を使った木造のビルが建つようになりましたが、あるマンションでは、今の消防法に適合するように、木の周りを石膏ボードで覆って、その周りに木を貼るようなことをしています。これって日本でしか使えない技術で、海外にはそんな市場はないので、輸出できません。」

「木材が自ら燃焼し炭化することで断熱層を形成する部分を『燃えしろ層』と呼んでいますが、その層が3㎝(太さが6㎝)以上ある太い柱や梁を使えば、『燃えしろ層』以降の木材内部の燃焼速度は極端に遅くなるので、太い材を使えばそんな技術は必要ありません。だから、海外では使われることはないでしょう。」

日本林業の根本的な問題を解決できない要因

「王子製紙(18.3万ha)、日本製紙(8.2万ha)、住友林業(4.6万ha)、三井物産(4.4万ha)が日本の森林保有4大企業で、林業は全て赤字でも発言力は大きく、彼らにとって、木材価格より、さしあたっての作業に補助金が出るかどうかの方が大事なので、林業を根本的にどうしていくかという議論にはなりません。」

「管轄する林野庁の役人にしても、人事評価に繋がる財務省から予算を取ってくることの方が大事で、根底から変える方針を出すには、これまでやってきたことを全否定して、0ベースから議論を始めなければならないし、リスクも大きいから、今までやってきたことの良し悪しは置いといて、その上に積み重ねていくのが今のやり方です。」

林野庁の主な政策

「林野庁の主な政策は、CO2吸収源対策事業と治山公共事業の2つで、2000年頃から間伐が注目されるようになったのは、1997年に京都議定書ができて、議長国の日本は、先進国の中では最も高い、1990年度比6%のCO2削減義務が課されたからです。」

「日本は、それまでにも削減努力をしており、国内総生産比でもCO2排出量が最も少なかったので、6%の内、3.8%は、森林が吸収したことにして良いことになりました。」

間伐面積で吸収源の証明?

「1990年以降に手入れした面積を積算して、1ha当たりどのくらいCO2を吸収したかの数式に当てはめて算出するという、なんとも非科学的な方法で3.8%分の吸収源の証明をすることになりました。」

「それで、間伐は環境に優しい、というストーリーができて、財務省から林野庁にお金が流れる仕組みが生まれ、森林基本法の森林を育てる目標は、木材生産ではなく、多面的機能(主に地球温暖化の防止)の発揮、と云うように、法律まで替えて、林野庁のミッションは、吸収源対策としての間伐をどれぐらいの面積やったか、になったんですよ。」

間伐材出荷分に補助金が出て過剰供給に

「そして、民主党政権時代に間伐材を山に放置させないため、市場に出荷した分について補助金が付くようになりました。間伐できる割合は自治体で決めるのですが、単位面積当たり50%以上間伐するとやり過ぎなので、50%を超えることはありませんが、上限を40%とか45%にしている自治体もあり、間伐役務に対して100%補助が出るようになった結果、その上限いっぱいまで、間伐されるようになりました。」

「健全で、環境配慮型の森林管理をするには、その森林の状態によって違いますが、20%程度が適度な間伐と考えられており、三重県では、他の林業家の協力も得て、その水準で実施しています。」

「間伐作業は、主に森林組合等が山の所有者から請け負い、間伐材を出荷すれば手間賃が出て採算が取れるので、出荷した木材価格がいくらで売れようが関係なく、許可された上限まで間伐して出荷するので、その分、過剰な間伐材が市場に出回り、価格が下がることになります。」

「その上、事業の売上試算をし易くするために、上下する市場価格での取引きより、市場を通さず、合板や集成材メーカーと赤字にならない程度の安価な定額で契約する取引きが増えた結果、さらに安値を招くことになりました。」

間伐材を出荷しても山の所有者には還元なし

「こうして木材価格が下がった結果、間伐材を出荷しても山の所有者にはほとんど還元されず、補助金を使って、タダで間伐できただけ、とう状況になっていきました。」

国産木材自給率アップのカラクリ

「林野庁には、木材の自給率のアップという目標もあって、木材の自給率は、約10年前には18%の最低水準まで下がり、現在は、35%まで回復しているのですが、あくまでも自給率であって、国民1人当たりの消費量は減っているので、木材全体の需要全体が減っており、間伐補助で国産材の流通が増え、輸入材より価格が下がれば、自給率が上がるのは当たり前と云う話です。」

「補助金は産業育成政策なので、市場を乱すような間伐に対する補助金のような出し方は止めて、20年前、国民1人当たりの消費量は、0.9トンあったのが、今じゃ、0.5トンしかない状況を踏まえて、国民1人当たりの消費量を増やすことを目標とし、木を使ったビルや建物に対して、1㎡当たりいくらの補助金とか、需要拡大と伐採後の再植林に補助金を使ってもらいたいところです。」

「米でもなんでも、増産すれば、価格が下落するのは経済の原則であって、林野庁は木材の増産計画をつくりながら、価格維持政策が単なる需要拡大という掛け声だけでは、全く機能していから価格が下がっているのです。」

「今や、木材生産を増やすと価格が下がり、出荷の費用も増え、所得は減るので、木材生産を増大して林業家の所得を増やすなんて、ありえないことです。林業家を守るなら、山村地で暮らす人たちの所得補償をするしかない、と思います。」

日本もくまなく国土に国民が住めるという状態に

「欧州では、国土にくまなく国民が住んでいることで、国土防衛と国土維持がなされているという考えがあり、日本も地方に人々が住めるという状態を作り出すのは大切なことで、最もコストがかからない方法を考えた時、市場を乱すような補助金を出すのではなく、所得補償のようなことをしていくのが良い、と思っています。」

市場が木材を欲しがる状況をつくることが肝要

「林野庁には年間一千数百億円の予算が付いていますが、今の補助金の使い方は、国産木材市場に大きな影響を与えているので、市場に押し出すのではなく、市場が木材を欲しがる補助金、例えば、厚みのある木材を使えば、断熱効果も期待できるので、エコの観点から補助金を出すとか、木製サッシを使ったら出すとか、鉄骨他木材以外より木材を使った方がメリットのある状態を作り出すことが必要です。」

「CO2吸収源対策にしても、切って植えないのなら、間伐なんてしない方が良いぐらいです。植林に補助金を付けるのは、個人の資産の形成になるので、抵抗感もありますが、木が植えられなくなると、治山治水の面でもデメリットは多いので、それはやって欲しいですね。」

国産材を使った伝統的な日本建築の家を建てる人が増えるのも必要なのでは?

「自然の礎石の上に柱を固定しないで建てる『石場建て』と云う伝統的な建築工法が認められる方向にあります。古来、地震の多い日本で培われてきた工法で、法隆寺の五重塔をはじめ、コンクリートのない時代、今も残る歴史的な建造物はこの工法で建てられていて、地震の際、礎石から柱をずらし、金物で固定しない柔構造の建物との相乗効果で地震からのエネルギーを建物から逃がしていました。」

「これに対して、近年の建築基準法で定める建築は、コンクリートの布基礎やベタ基礎の上に、構造材を金具等で緊結する剛構造で、地震のエネルギーを建物で受け止めるという考えです。」

「どちらが良いかは、建てる方の考え次第ですが、日本の伝統的な建築の方が木材の使用が多くなるのは間違いありません。」

積極的に木材が使われる社会に

「梁に使うなら、米松の方が同じ太さの杉より強度が高いですが、太い杉を使えば強度は確保できますし、日本の森林、林業を守っていくためには、国産材、外材を問わず、積極的に木材が使われる社会になって欲しいです。」

「また、日本の伝統的な建物を建てられる職人の育成も大事ですね。文化財修復等もしている高名な棟梁の話によると、ちゃんとした和風住宅が建たないと職人は育たず、普通の住宅を建てて、腕を上げてからでないと、見習いから宮大工を育てるのは難しいそうです。」

「僕も、有名な職人だけが食べていけるのではダメで、一定以上の技術を持つ一般の職人が食べていけるような社会をつくっていかないといけない、と云い続けています。」

そういう世の中にするには?

「トヨタさんから相談された時に、植林なんかしないで、山を買った方が企業の社会貢献・責任を達成できる、と説得して、約1,700haの森林を購入してもらい、その山林の管理のために『株式会社森林再生システム』を設立しました。」

「今では、市町村が直接、林業経営をするケースも増えているので、その事業計画を作成するお手伝いやコンサルティングの業務が増えてきましたが、林業経営の方が粘りきれなくなってきました。」

米国では森林は投資物件

「米国の場合、森林は投資物件であり、かなりの利回りが期待できるようですが、日本の場合、先程も申し上げた通り、政策が間違っていたのです。」

日本の林業の現状を知れば国民は怒る?

「かつて、広葉樹から針葉樹に替える際、拡大造林の補助金が出て、下刈り、枝打ちにも補助金が出て、間伐にも多少なりとも補助金が出て、林道づくり、製材工場にも補助金が出て、輸出するのにも補助金を付ける県があります。そうして、ずっと国民の税金を使い続けて山林を育ててきて、補助金を付けて切り出し、補助金を付けて輸出して、丸太のまま輸出したなら、儲かるのは輸出業者だけで、それでお終いです。」

「植林に対する補助は、植林した8割根付かないと出ません。枯れる時は、まとまって枯れ、その部分は、自然に広葉樹林になり、全体として混交林になるので、僕は、5割でも良いと考えていますが、補助金漬けで植林、育林、伐採した山に木が植えられていない、という現状を知ったら国民は怒るでしょ?」

「政治家たちが現状をしっかり理解し、林野庁全体がその気になることです。僕は、なりそうにないと思ってでも、現状は現状として、無駄であろうが何であろうが、なるように意見を言い続けますよ。」

 

COREZO「環境配慮型の森林経営を受け継いで、生物の多様性を確保し、厳しい経営環境の中、日本林業を立て直す挑戦を続ける九代目林業家」である。

 

取材;2019年5月

最終更新;2019年6月

文責;平野龍平

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