吉川 玉子(よしかわ たまこ)さん

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吉川 玉子(よしかわ たまこ)さん

COREZO「編集一筋、黎明期よりシルバーマーケットを拓いてきた、笑顔で過ごせる健康づくりと介護に困った時に役立つ情報発信の先駆者」賞

吉川 玉子(よしかわ たまこ)さん

プロフィール

株式会社ど〜も 代表取締役

一般社団法人健康介護コンシェルジュ協会 理事

1981年〜 

薬局で販売される、薬以外の、当時は、脱脂綿やガーゼ、マスクなどの雑貨関係の業界紙で、高齢者の取材活動を始め、「シルバーマーケットを拓け」を11年間、約650回連載

1993年〜 

介護施設で働く方々や介護士など介護関係の専門家向けの専門誌、月刊「介護ジャーナル」を14年間発行。

2008年〜

専門職から一般の方々まで幅広い層に読んでもらえる、高齢者情報と介護情報誌、『ど〜もど〜も』を創刊、今日に至る

2015年〜 

一般社団法人健康介護コンシェルジュ協会設立 3級検定試験開始

受賞者のご紹介

0か100以上の世界

吉川さんが編集長を務めておられる、健康づくりと介護に困ったときのあなたを助ける情報誌「ど〜もど〜も」でCOREZO賞の取材をしていただいたのがきっかけで、吉川さんと知り合った。

―今まで、自分の身内に要介護者がいなかったので、気にもしていませんでしたが、家族に迷惑をかけたくないと思っていても、いつ自分が要介護者になるかわからないし、実際に自分の身内や自分自身がその状況に置かれとか、イザとなった時に初めて必要になる情報ですよね?

「そうなんですよ。0か100以上なんです。介護に関する情報は、関心がなかったら、見向きもされないですが、イザ、自分の親がなったら、100どころか200でも300でも、より役に立つ情報が欲しいわけです。天と地ほどの違いで、情報に対する関心度は極端な世界なんですよ。」

日本の要介護認定者数は、2000年の218万人から、2012年には、533万人と2.44倍に膨れ上がっているようだが、行政の依頼でメーカーさんと介護ベットや車椅子等の介護用品の展示会や説明会を開いても、こんなのの世話になりたくない、と言わんばかりに横目で見て通り過ぎて行く人がほとんどなのが、現実のようだ。


シルバーマーケットを拓け

吉川さんは、繊維関係の専門誌を皮切りに、編集者一筋で活動してこられた。

1981年、当時、薬局で販売される、薬以外の脱脂綿やガーゼ、マスクなどの雑貨関係の業界紙の編集をしていた頃、その業界紙のスポンサーでもあったオムツメーカーから、大人用のオムツを始めたいので、「シルバーマーケット」の取材をして欲しいと云う依頼が入った。

当時、日経新聞で「シルバーマーケット」という言葉が出始めたばかりで、言葉自体も浸透していなかった時代に、「シルバーマーケットを拓け」という、連載を始められた。


1973年以降、高齢者を「シルバー」と呼ぶようになった

因みに、高齢者を「シルバー」と呼ぶようになったのは、旧国鉄で、「シルバーシート」が導入された1973年以降のことのようだ。

高齢者介護、寝たきり介護の他、高齢者マーケットの状況やどのような需要があるか、取材を進め、11年、連載を続けていく内に、紐を解くように少しずつ実情が見えてきた。

当時は、高齢者介護に関して、閉鎖的で、施設といっても、社会福祉法人が運営する、特別養護老人ホームぐらいしかなく、介護の仕方も確立されておらず、オムツのあて方や身体の起こし方の知識もなかったが、平均寿命も今程高くなかったので、介護期間もそれほど長くならないうちに亡くなるケースが多かった。

一番の問題は、赤ちゃんは、オムツが必要なくなる時期がある程度決まっているが、介護が必要な老人の場合、どんどん重度になっていき、予測がつかないことだった。

高齢者用オムツと云っても、布製で、何度も洗って使っていた時代で、シルバーマーケットにもメーカーが少しずつ増えていたが、モノをつくっても販売店がない状況だった。

福祉は西から

そんな中、福祉は西からと云われ、九州では、取り組みが進んでおり、販売店ができつつあったので、取材を兼ねて、売り込みたいメーカーとキャラバンで廻ったそうだ。

九州から、四国、中国、近畿へとその範囲を広げていったが、東日本、東北、北海道は販売店がまだまだ少なく、全国的に販売店が増えたのは、2000年に介護保険制度が施行されてからだと云う。

吉川さんが関わって10年ぐらいが経過して、日本のシルバーマーケットでは、米国をはじめ、海外製品も取り扱い始めたが、どこの国の商品も台湾で作っていることがわかって、台湾へ買い付けに行くようになった。

介護用品という言葉自体もなくて、吉川さんが使い始めたそうだ


2000年、介護保険制度が始まる

―1981年当時、2018年の現在の状況は予測されていましたか?

「先見の明がありましたね、と云われますが、全く予測なんてできませんでした。でも、新しいメーカーがどんどん増えていくし、海外製の製品を取材したり、1990年代辺りから、介護のスペシャリストが現れてきたり、関わっていて、とても面白かったですね。」

「亡くなった母は、要介護の期間が短かったのですが、介護用ベットはどこ製が良くて、レンタルするのはどこが良いとか、そういう経験や知識は役に立ったと思います。」

「2000年、介護保険制度が始まる以前には、メーカーが開発した介護用品がニーズに合っているか、実際に触って使ってもらえるように、市町村、都道府県単位とかで、展示場を作りましたが、介護保険制度が始まってからは、ケアマネージャーがニーズに応じてカタログから選んで勧めるようになり、公営の展示場所が少なくなりましたね。」


ヘルパーさんを選ぶ尺度は難しい

―ケアマネージャーの良し悪しが介護の質にも影響するのでは?

「ケアマネージャーは、選べますから、気に入らなければ、替わってもらえばいいのですが、在宅で来てくれるヘルパーさんを選ぶ尺度は難しいです。愛想が良くて色々話を聞いてくれる人が良いと云う人もいれば、愛想が悪くてもきっちり世話をしてくれる人が良いと云う人もいます。」

「介護保険制度から支払える料金は決まっているので、ヘルパーさんを続けてスキルアップしても報酬にほとんど反映されないのが現状です。介護士の不足は、労働対価が低すぎるのが、原因の一つですから、もっと高報酬にすれば、なり手はいるはずです。」


健康応援・介護実践誌『ど〜もど〜も』

ど〜もど〜も

―吉川さんが編集・発行されている『ど〜もど〜も』は、どんな雑誌?

「健康・介護関係の情報誌としては、以前は、婦人雑誌社が季刊誌で雑誌を発行していましたが、2年で休刊になり、定期的に2万部以上を発行している媒体は、ウチの『ど〜もど〜も』しかないと思います。」

「介護の情報のニーズは、今、申し上げたように、0か100以上なので、専門職の方々だけでなく、一般の方々まで幅広い層に読んでもらえるように、健康に笑顔で過ごせる情報を中心に掲載した、48歳からの健康・笑顔応援誌『ど〜もど〜も』と介護情報を中心に掲載した、安心介護・実用誌『ど〜もど〜も』の2冊が合体した新しいスタイルの媒体で、 A5サイズの32頁、毎月7日発行です。」

「全国版を毎月2万〜2.5万部発行していて、配布先は、宅介護支援事業所(ケアマネジャー)49.9%、在宅28%、地域包括支援センター14% 、施設・デイサービス5%、病院1.6% 、個人を含むその他1.5%です。1部60円×100部単位(消費税+送料)で、顧客サービスの一環として活用されることが多いです。」

「『健康介護コンシェルジュ®』のいるお店(http://do-mo-do-mo.com)を応援する情報誌として、全国の『健康介護コンシェルジュ®』のお店が、販促用コミュニケーションツールとして活用しています。また、介護関係の展示会でも配布しています。」

イザという時の備え

―確かに、内容は、転ばぬ先の杖的な情報と転んでしまったらどうすればよいかという情報の2本立てですね?

「そうです。例えば、脳梗塞で両脚がマヒになった方が、自分で考え、リハビリをして、歩けるようになった経験談や認知症についても昔から取り組んでこられた医師の話他の連載をしています。」

「もし、倒れたとしても、入院できるのは6ヶ月で、後は、通院リハビリになりますが、在宅では、思うように動かない、痛いとか云って、リハビリをしなくなるのですが、私が取材に行った病院では、早期からスクワットを中心に独自のリハビリに取り組ませ、平均、4.5カ月ぐらいである程度生活できるような状態に戻して、他院させる病院もあります。」

―もしもの時のために、なった時に有益な情報を日頃から頭に入れて、準備をしておくのは大事ですよね、もし、吉川さんに脳梗塞の症状が出たら?

「この自宅兼事務所からは大阪市大病院が目と鼻の先なので、自分で行けなければ、このマンションの防災の管理人は24時間対応なので、手配をお願いします。」

「実は、自分のこととして、見守りの特集もしましたが、展示会等で、いろんな機器を取材して、一番いいと思うのは、毎月の費用がかかりますが、セコムで、倒れると通報されるサービスがあります。」

「その次は、もう少し元気な内なら、東京電力のもので、機器をブレーカーに取り付けることで、個々のブレーカーの電力使用量を家族がスマホでモニターでき、日ごろの使用量との差異から異常を察知する仕組みです。」


健康介護コンシェルジュ

健康介護コンシェルジュ

―今後は?

「先程も少し話しましたが、2015年に、一般社団法人『健康介護コンシェルジュ協会』を医師の先生方他に理事になってもらって、健康寿命を延ばす知識と技能、また、介護が必要になった人々の相談相手になるための知識と技能をもっと多くの人に身につけてもらおうと、民間の資格である、健康介護コンシェルジュ(健康と介護のよろず相談役)の育成と資格検定を行っています。」

介護の世話にはなりたくない、というのは誰もが願うことだろうけど、高齢化社会の現代では、自分だけが例外であることは考え難く、イザと云う時に知識があるのとないのでは大違いであろう。

吉川玉子さんは、COREZO「編集一筋、黎明期よりシルバーマーケットを拓いてきた、笑顔で過ごせる健康づくりと介護に困った時に役立つ情報発信の先駆者」である。



最終取材;2019.12.

初稿;2019.01.

最終更新;2019.01.

文責;平野龍平



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