和田里 吉弘(わたり よしひろ)さん

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COREZO(コレゾ)「ホスピタリティの塊、爽やかスマイルで、従業員と地域の皆さんとの信頼関係を築き、お客様の笑顔につなげる、次世代の担い手」賞

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和田里 吉弘(わたり よしひろ)さん

プロフィール

徳島県三好市池田町出身 山城町在住

大歩危峡まんなか(大歩危峡観光遊船有限会社)支配人

ジャンル

地域活性化

観光地域振興

経歴・実績

1999年 レストランまんなか 厨房 アルバイト 開始

2002年 大歩危峡まんなか 入社

2007年 副支配人

2010年 戦略結婚

支配人 就任

受賞者のご紹介

まだ若いのに支配人を務めるワケ

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和田里 吉弘(わたり よしひろ)さんは、徳島県三好市の景勝地、大歩危にある「大歩危峡まんなか」の支配人。まだ、お若いのだが、高校生の頃からレストランまんなかで厨房のアルバイトを始め、アルバイト時代から数えると勤続14年(2013年取材時)になるサービス業のベテランだ。

元々は、美容師志望で、高校卒業時に求職活動をしたが、ことごとく、不採用だった。「これからどうしよう。」と、途方に暮れていた時、アルバイト先だった「大歩危峡まんなか」の社長夫人、昌代さんから「ウチに来ない?」と、声を掛けてもらった。有難くて、二つ返事で入社し、すぐに、遊覧船の船頭の資格、送迎用大型バスの免許も取得して、ご恩に報いるよう日々、仕事に励んだそうだ。

2010年、3度の目のアタックで、ようやくまんなかの大平社長のOKが出て、社長令嬢とご結婚され、お子さんも2人誕生された。大平社長からも、「あの子は真面目でええ子じゃ。」と評価も高い。

車椅子のお客様への対応

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ある時、年配のご夫婦がいらっしゃった。車椅子の奥様には、一度大歩危の遊覧船に乗ってみたいというご希望があったが、乗船は無理だ、とあきらめておられた。それに気付いた和田里さんは、「ご安心下さい、お手伝いしますので大丈夫ですよ。」と、お引受けして、慎重に遊覧船乗り場まで車椅子を降ろし、安全のための救命胴衣もしっかりと着用してもらって、遊覧船にも付き添った。

とても喜んで頂いたので、和田里さんも嬉しかったそうだが、後日、丁寧な礼状まで頂いた。当たり前の事をしただけなのに、お客様との心のふれあいを感じ、この接客サービス業に就いてよかった、と思ったという。

若くして支配人となり、約30名のスタッフと一緒に働いておられるが、中には自分の母親に近い年齢の方もいらっしゃって、自分の子供のように接して、可愛がって下さるので、和田里さんもどんな頼まれ事も快く引き受け、誠意を持って対応している、とおっしゃる。

そんなこんなで、スタッフ全員の結束力は非常に固く、一度に何台もの大型バスが入って来て、どんなに混雑していても、お客様に不快な思いをさせる事なく、喜んで頂けるよう協力し合う体制が整っているそうだ。

台湾からのお客様への対応

ある時、台風でJRも運行休止となり、ホテルのキャンセルも相次ぐ中、台湾からのお客様が、タクシーをチャーターして高松から宿泊に来て下さった。台風が通り過ぎた後、大平社長からの指示もあって、大歩危・祖谷をご案内した。中国語は一切わからないが、身振り手振りで、誠心誠意、おもてなしをしたら、次の日も和田里さんご指名でJR大歩危駅まで送って欲しいと頼まれた。

翌朝、チェックアウトしたご一行が、迎えに来た和田里さんに、「アナタノコト タイワンデ ブログニ カキマス。」と、片言の日本語で、口々にお礼を言っておられた現場を見たくもないのに、目撃してしまった。

VIPのお客様への対応

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ある日、和田里さんは、社長からくれぐれも粗相がないようにと、大切なお客様の出迎えを仰せつかった。阿波池田バスターミナルから約30分の道中だったが、送迎車の内外はチリ一つない位に、キレイに清掃し、温かいおしぼりに、冷・温のお茶の他、数種類の飲料、大歩危・祖谷地区の観光案内パンフレット、膝掛け等、どんなご要望にもお応えできるように準備万端整え、その上、自身が育てたコスモスも車内に飾っていたのである。実際に、後から同乗させて頂いて目撃してしまったのだが、そのお客様も、いたく感心されていた。

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2年後、そのお客様が再訪された際、大平社長ご夫妻と筆者も同乗して、高知空港までお見送りしたのだが、その時に使用された大平社長のお車の内外は、ピッカピカに磨き上げられ、車内の備品も前回以上の品揃えで、手づくりの来訪御礼のメッセージカードまで添えられていた。

帰路、「和田里さん、さらに進化していますね。」と言うと、「もうな、あの子な、こっちが何も言わんでもな、勝手にしやるんねん。今日もな、社長が送って行くとも何も言ってなかったのに、ちゃんと掃除して、準備してやるんよ。」と、大平昌代さん

深夜まで呑んだくれている客への対応

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ある事業で「大歩危・祖谷へのモニターツアー」を実施させてもらったのだが、、「大歩危峡まんなかさん」で、深夜まで2次会をさせてもらい、終宴後、表に出ると、マイクロバスに乗った和田里さんが爽やかスマイルで待ち構えていたのである。宿泊するホテルまんなかさんまで、歩いても5分と掛からない距離なのに、自宅に帰らず、待機していてくれたのである。これで、歩いて帰ったら失礼なので、全員で、送って頂いた。

古い従業員さんの目から見た和田里さんとは?

筆者が見ている時だけ、ええ子ぶってる?または、ええコトしてる時にだけ、偶然、出くわす?と思いきや、古くからまんなかさんに勤めておられる年配の従業員さんと話していると、

「和田里支配人な、ワタシもよう見ちょるきんがな、店内でも、廊下でも、どこでも、ゴミ見つけてサッと拾うのは、あの子と修ちゃん(大平社長のご子息)ぐらいじゃ、見えんのか、見て見んふりしてるんかしらんが、他の若いもんは誰っちゃ拾わんでぇ。なかなか、ようできた子じゃ、ほなけん、あの子の云うことは聞いちゃるんじゃ。」とのこと。

最近、気になったこととは?

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和田里さんに今さらながら、尋ねてみた。

ー 最近、気になったことは?

「接客でのトラブルですね。ビールの追加をお持ちするのが遅かったようで、私もすぐに駆けつけたのですが、担当の女性従業員が、添乗員さんから、怒鳴られていました。平身低頭、お詫びしましたが、お許し頂けなくて、『ウチ(の旅行会社)からは、今後一切、おたくには送客しないように会社に言っておくから・・・。』とまで言われました。」

「女性従業員と、そのビールを追加されたお客様にも直接お詫びしたのですが、『えっ?いいよ、いいよ、もう飲んでるから、気にしないで。』と、全く怒っておられなかったのです。その添乗員に報告に行くと、まだ、怒りが収まらない様子でした。」

ー 派遣添乗員ですか?

「いいえ、名の通った旅行会社の課長さんでした。」

和田里さん流トラブルの対処法とは?

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ー で、どうしたのですか?

「バスが出発する際に、そのビールのお客様と添乗員さんにお詫びのしるしと、皆さんでお召し上がり下さいと、お菓子折をお渡ししました。」

ー それで、その女性従業員さんは?

私は現場の一部始終を見ていた訳ではないのですが、その従業員は、お客様に失礼なことをするような人ではないので、万一、追加注文を忘れていたとしても、催促されたら、すぐに対応したはずなんです。かなりひどいことを言われていて、お客さんの前に出るのが怖い、というので、落ち着くまで、接客の仕事からは外れて頂きました。」

ー 暴言を浴びせられたのですね?

「そうですね、暴言といってもいいかもしれませんね。」

ー なんだかタチの悪い添乗員ですね?今でも、そんなのがいるんですね?お客様も選ぶ時代では?それで、その旅行会社からの送客は?

「時々、おられますね。そうも言ってられないので…。送客は普通にあります。ウチの従業員の皆さんは本当にいい人ばかりで、信頼していますので、少しぐらいのミスがあっても敢えて何も言いません。」

「何かトラブルがあった時にお詫びするのが私の仕事ですし、お客様の前で一緒にお詫びして、叱られたら、ウチのスタッフの皆さんなら、反省して、同じミスはしません。後で、再度、同じことを言う必要はないと思っています。言う方も言われる方も、お互い、嫌な思いも2回しないといけませんしね。」

支配人として力を注いでいることとは?

ー 今、支配人として力をいれていることは?

「レストランの料理の内容が、入社した頃から変わっていません。悪く言うと、昔ながらのドライブインのメニューそのままで、増えたメニューと言えば、ひとつ目丼、ひだるラーメン、ざるそば・・・と、社長が考えたメニューばかりなので、自分たちも、大歩危峡まんなかの名物になるようなメニュー開発をしなければ、と思っています。」

ー ひだるラーメンはヒットしているのでは?レストランの一番の売れ筋はなんですか?

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「ひだるラーメンは当地のヒダルガミという妖怪をモチーフにした味噌ベースのラーメンなんですが、毎日、平均80食は出ています。」

「一番の売れ筋は、祖谷そばですね。でも、ここは祖谷ではなく、大歩危でしょう?この地域の名物ってなんだろうから検討を始めて、鳴門金時やレンコンを使ったコロッケなどをメニューに追加しています。また、定食類も鮎だけなく、この地域らしい、田舎料理も加えたいと思っています。一度に言うと、反発が起こったりするので、徐々にお願いしていますが…。」

「それから、ウチは仕出し弁当のご注文も多いのですが、仕出しは、何度も利用して下さっている地元のお客様ばかりなのに、万年、同じ内容だったのです。それでは飽きられてしまいますので、揚げ物はエビフライだけだったのを季節の野菜天に変えたり、フルーツもオレンジとメロンだけだったのを、いちごや季節の果物に変えたり、折り箱も黒基調の豪華な印象のものに変えたり、葉っぱビジネスの上勝町じゃありませんが、私が取って来たもみじやナンテンの葉っぱを、あしらいに使ってもらったりして、工夫をして変化をつけるようにしました。」

「ホテルの方の調理場やスタッフの皆さんの意識がかなり変わって来たことには刺激を受けています。ひだるラーメンのスープのベースはホテルの料理長にお願いしているのですが、メニューもホテルとレストランで別々に考えるより、共通のメニューを考えたり、メニューは異なっても、共通の材料ならば、無駄も出にくくなるので、専務(大平修司さん)とも相談をして、積極的に取り組んでいきたいと考えています。」

「売店のレイアウトも、商品の位置、積み方、積む高さ、商品POPの見せ方によって、全然、売上が違ってきます。地元以外の商品も扱っていますが、やはり、地域のものを主力に売っていきたいと思っていまして、売る商品の選別、売り方をはじめ、試行錯誤を重ねています。」

人の親になって願うこととは?

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ー 今後の抱負をお聞かせ下さい。

「大歩危・祖谷の豊かな自然を満喫してもらって、全てのお客様に喜んで頂けるよう、私自身、出来る限りのことをしたいと思っていますが、自分一人では、何もできませんし、全てのお客様をおもてなすこともできません。まず、従業員の皆さん、そして、地域の皆さんと信頼関係を築かなければ、お客様との信頼関係も築けません。」

「私も人の親になって、自分の子供が大きくなった時に、この大歩危に生まれ育って良かったと思ってくれるような地域にしなければなりません。自分の取り柄はどんなことにも一生懸命やり抜く事です。社長の世代の皆さんが頑張って下さっているうちに、自分たちの世代がどう引き継ぎ、どう発展させて行くか、楽しみにしておいて下さい。」

というように、いっぺんでもエエから会社のお金を持ち逃げしてくれへんかなぁ、とふと思ってしまう自分が恥ずかしいぐらい、どっからどーみても、誰がどーみても好青年なのである。

COREZO(コレゾ)賞・財団の趣旨はよくご存じなので、受賞のお願いをしたところ、

「昨年度の受賞者の皆さんにはお目に掛かっているので…、私なんて、とんでもないのですが、お断りすると、どんなことになるのはわかっていますし…、有難くお受けします。」と、渋々、ご承諾頂いた。

エエぞ、和田里さん、よーゆーてくれはった。大手を振って、100泊無料宿泊招待券が使えるよう、一生、パラサイトできるよう、大儲けして下さい。楽しみにしてまーす。

COREZO(コレゾ)「ホスピタリティの塊、爽やかスマイルで、従業員と地域の皆さんとの信頼関係を築き、お客様の笑顔につなげる、次世代の担い手」である。

後日談1.第1回2012年度COREZO(コレゾ)賞表彰式

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POPが得意な和田里さんが表彰状と副賞の無線飲食泊100泊招待券を作成し、贈呈して下さった

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もちろん、表彰式と懇親パーティーも手伝って下さった

後日談2.第2回2013年度COREZO(コレゾ)賞表彰式

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被害者義兄弟の揃い踏み

後日談3.台湾の高苑科技大学とのインターンシップ協定

2015年2月、「四国酒まつり」にまんなかの大平社長から山田脩二さんがご招待を受けたとのことで、筆者もお供させて頂いた。

その時、大平社長から伺った話だが、

2015年1月、台湾の高雄にある高苑科技大学の学長、副学長、教授他、職員の皆さんが、職場旅行で大歩危・祖谷を訪れた。

別の宿泊施設を手配していたそうだが、手違いで急遽、「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」に宿泊されることになって、いつも通りの「まんなか流おもてなし」をしたところ、感激されて、学長から直々に、情報コミュニケーション学科や応用外国語学科があるので、是非、インターンシップで学生たちを受け入れて欲しいとの依頼があった。

大平さんご夫妻は、行政が窓口になるならともかく、一民間企業がそんなそんな受け入れの協定を結べるのだろうかと、半信半疑で台湾に出掛けてみると、大歓迎を受けて、その場で調印式が挙行されたそうだ。

その話をご子息の修司さんに話すと、

「ウチのホテルだけじゃありませんよ。遊覧船や近辺の観光案内は和田里君がしたので、例によって例のごとく、あのホスピタリティの塊のもてなしをしたんだと思いますよ、ハハハハ。」

こうして、ご子息とご令嬢婿が見事に連携していくと、まんなかさんはこの先、どんなことになるのか、世界制覇も夢じゃない⁉︎

和田里 吉弘(わたり よしひろ)さんに関するお問い合わせは

メールで、info@corezo.org まで

※本サイトに掲載している以外の受賞者の連絡先、住所他、個人情報や個人的なお問い合わせには、返答致しません。

COREZO (コレゾ)賞 事務局

初稿;2013.11.23.

最終取材;2015.02.

編集更新;2015.03.18.

文責;平野 龍平

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